2つの目線でみた「スマートフォン」選び方

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2つの目線でみた「スマートフォン」選び方

2010/03/23


 数年前までは、一部のマニアのためのガジェットという雰囲気が漂っていたスマートフォンであるが、iPhoneの登場によって一気にメジャーになった感がある。しかし実際には、以前からスマートフォンはビジネスユースとして採用されるケースが少なからずあり、現状ではスマートフォンの種類が豊富になった分、その選択肢がより広がっている。そんなビジネスに使えるスマートフォンについて、その選び方を紹介する。なお、スマートフォンについての基礎知識と最新動向については「IT製品解体新書」を参考にしてほしい。

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スマートフォンの選び方

 ビジネスで利用するスマートフォンを選ぶ場合、大別すると2つの目線が存在する。1つは実際に端末を使う「エンドユーザ目線」。そしてもう1つは、企業において大規模導入を進めた時、情報システム部門担当者としてどのように取り計らうべきかという「管理者目線」だ。

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エンドユーザ目線で選ぶ

 スマートフォンをビジネスで実際に使うエンドユーザにとって、製品を選ぶ際には以下のポイントを気にしたい。

■ポイント1:コスト〜データ通信と通話、どちらを重視するか〜

 スマートフォンを個人的な携帯電話端末の代替として使う場合、多くはユーザが個人的にスマートフォンを契約して料金を支払うこととなるだろう。そのため、料金についての検討が重要になる。
 まずは端末料金。支払い方は一括もしくは分割となるが、概ね3〜5万円となることが多いようだ。なお、製品によっては様々な割引によって端末料金ゼロ円となることもある。
 そして通信料金。基本料金に加え、スマートフォンを本格的に使うなら、パケット通信料の定額プランは必須となる。例としてソフトバンクモバイルのスマートフォン「SoftBank Xシリーズ」の通信料金プランの一例を掲出する。

表1 「Xシリーズ」の料金プランの一例
表1 「Xシリーズ」の料金プランの一例
資料提供:ソフトバンクモバイル株式会社

 他のキャリアも概ね同等の料金プランとなり、データ通信料金は上限があるが、通話料金には上限がなく、通話相手のキャリアによって料金が変動することも多い。スマートフォンと通常の携帯電話で同量通話した場合、スマートフォンの「通話+通信」料金が、携帯電話に比べ高くなる可能性が高い。通話よりも、出先でのメールの送受信、ウェブサイトの確認を中心に使いたいというのであれば、それはスマートフォンの専門分野であり、パケット通信料金さえ定額(もしくは最大限度あり)にしてしまえば料金を気にせずに活用が可能だ。ビジネスコンシューマとして使うのであれば、仕事における通話の比率をよく考えておく必要がある。
 企業一括導入の場合は、利用料金を大きく気にする必要はないだろう。今回取材したキャリア担当者によれば、法人との大型契約の場合、料金プランは導入規模に応じて柔軟に対処が可能であるとのこと。一括導入を計画する場合は、事前にキャリア側とよく話し合う必要があるだろう。

■ポイント2:形状〜カタチよりも入力デバイスに注目〜

 スマートフォンの形状は様々である。しかしそれは通常の携帯電話と同様のことであり、実際のところ、ハードウェア的な使い勝手の面では個人の好みによるところが大きくなってしまうため、選ぶ場合のポイントをここで一概に語ることはあまり意味がない。
 ただ、文字を入力することの多いスマートフォンにおける入力デバイスは、使い勝手にいくつかの特徴がある。ここではその点をまとめたが、どれも一長一短があるので、ある程度の参考にとどめていただきたい。

●フルタッチ
 入力デバイスはタッチパネルのみのため、文字入力も画面上のソフトウェアキーボードを利用する。ハードウェアキーのように押下感もないし、小さめの画面でのミスタッチも起こりやすい。文字を素早く正確に入力するにはかなりの熟達を必要とするだろう。
 しかし、後発のフルタッチAndroid端末であるNTTドコモ提供の「Xperia」では、母音キーを大きくしたり、入力予測によって各キーのオンオフを自在に切り替えたりと、ソフトウェアキーボードの使い勝手を格段にアップさせている(コラム参照)。 

●QWERTYキー
 パソコンと同等のQWERTY配列のハードウェアキーボードを搭載するスマートフォンは少なくない。しかし、本体サイズの大きさから、必然的にそのサイズは小さくなる。NTTドコモ提供の「BlackBerry Bold」の様に、キートップの大きさもわずか数mmになってしまう。この場合でも、快適な文字入力には熟練が必要となる。

●手書き入力
 Windows Mobile系端末の場合、手書き入力による文字入力がサポートされていることがある。認識にクセがあって誤認識も少なくないことや、認識スピードがお世辞にも高速とはいえないことを考えると、やはり入力には慣れが必要となる。キーボードによる入力が苦手というなら有力な選択肢となるだろう。

コラム:期待の「Xperia」はビジネスでどこまで使える?

 Android端末は既にNTTドコモ「HT-03A」が発売されており、今後もAndroid端末は各キャリアから続々と登場する予定。そんな中、2010年4月1日、NTTドコモより、Android新端末「Xperia」が発売される。
 タッチパネルによる操作や大型高解像度液晶(854×480ドット)を採用して各種AV系コンテンツの視聴が快適であること、810万画素デジタルカメラ搭載など、気になる高機能が満載の1台である。何より製品コンセプト「コミュニケーション・エンターテインメント」からもわかるように、Xperiaによって新しいライフスタイルを提案するその姿勢に、各方面から注目が集まっている。その豊富な機能ゆえに「コンシューマユース」ととらえられがちなXperiaだが、実際にはビジネスコンシューマの使用にも十分耐えうる仕様となっている。
 その1つがExchangeサーバへの対応。アプリ「Moxier」シリーズがプリインストールされており、企業でExchangeサーバが動作していれば、セキュリティを保ちつつメールの読み書きやスケジュール管理などが可能となる。ビジネスコンシューマユーザにとって、仕事の生産性がアップする有用なアプリケーションだ。インストールされているのは、「Moxierメール」「Moxierカレンダー」「Moxier同期」「Moxicer連絡先」など。なお、例えば「Moxierメール」はAndroidマーケットなどで購入すると20ドル以上するから、プリインストールされているのはお得感がある。
 さらに、Xperiaのコンセプト「コミュニケーション・エンターテインメント」を体現する機能として、写真や映像などのコンテンツを管理できる「Mediascape」と、アドレス帳やメール、SNSなどの状況を管理できる「Timescape」の2つがある。このうち「Timescape」は、相手ユーザのアドレス帳や写真、送られてきたメールなどをシームレスに関連づけることにより、例えば住所録の一覧からそのユーザがTwitterでツイートした最新の情報を確認できたり、最後に送ってきたメールがどのようなものだったかをすぐに確認できたりと、とにかく「人」を軸とした様々なデータを串刺しで把握することが可能となる。この機能をビジネスに応用すれば、営業のフォローやビジネス相手の近況確認など、ソツのない人間関係を保つことができるだろう。

図1 「Xperia」の画面例 
図1 「Xperia」の画面例 
左:ソフトウェアキーボードで入力に合わせたキーの変化が大きな特徴。入力する過程で、次に入力される可能性が低いキー表示は薄くなる。また、よく使う母音キーの面積は、ほかのものより大きくなっている。
中央:「Moxierメール」画面。
右:「Timescape」起動画面。
資料提供:株式会社NTTドコモ、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社

■ポイント3:OS選び〜ビジネスに融合しやすくアプリの多いOSを選ぼう〜

 OSは、スマートフォン自体の特徴を決める大きな要素である。各OSについての概要は「IT製品解体新書」にまとめたのでそちらを参考にして欲しい。ビジネスコンシューマの視点から見ると、選び方に関連するポイントとして、それぞれには以下のような特徴がある。なお、Symbian OSは、現状では国内では搭載する端末がキャリアから提供されておらず入手は難しい。

●Android
 Googleのウェブサービスと融合した仕様であるため、企業内でGoogleの各種サービスを採用しているのであれば利用は便利。ただ現状、国内ではメジャーOSとは言えず、新端末も今後発売されるということで、企業システムとの融和は今後の展開を見守る必要がある。無償提供されるアプリケーションが多く開発されることも予想されるが、それについても今後の展開を見極める必要があるだろう。

●BlackBerry OS
 メールの読み書きやOffice文書のビューア的側面の強いOSである。企業への一括導入においては管理サーバによって様々なポリシー管理が可能。
 また、日本語で利用できる専用アプリケーションが徐々に登場している(図2)。

●iPhone OS
 社内環境がExchangeサーバに対応していれば、ある程度のセキュリティを確保したままのメールの転送が可能。またユーザの一存ではメール転送が不可能となるよう、管理者側で機能制御を強制的に行うこともできる。遠隔操作で端末内のデータを初期化できる「リモートワイプ」サービスによるセキュリティ確保も可能。アプリケーションも豊富で、ビジネス系も充実する。

●Windows Mobile
 Windowsとの融和度が高くサードパーティや個人プログラマの手によるアプリケーションも多いOS。Exchangeサーバとの連携によるメール転送も可能であり、また、デスクのWindowsパソコンと各種データを同期して持ち歩くことができるので、スマートフォンをより小型のノートPCとして活用したいビジネスコンシューマユーザに適している(図3)。

図2 キャリア提供のアプリケーション例
図2 キャリア提供のアプリケーション例
BlackBerry Boldをはじめとするドコモのスマートフォンは、「ドコモスマートフォンサイト」にてアプリケーションが配布されている。
資料提供:株式会社NTTドコモ

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図3 Windows Mobile搭載のスマートフォン例
図3 Windows Mobile搭載のスマートフォン例
ウィルコム「HYBRID W-ZERO3」。OSにWindows Mobile 6.5を採用し、WordやExcel、 PowerPointと互換性がある。
資料提供:株式会社ウィルコム、シャープ株式会社

 いずれのスマートフォンOSでも、ビジネスコンシューマユーザが思い通りに利用するにはいくつかの障壁があり、最も重要なメールの転送においても工夫を必要とすることも少なくないことは覚悟しておきたい。特に社内ポリシーによっては、メールの転送すら容易でないこともあるから、注意が必要だ。

コラム:Windows Phone 7って?

 「Windows Phone 7」は、マイクロソフトによるスマートフォン向けの次世代OS。2010年2月に発表された。タッチパネルによる操作を主体とするユーザインターフェースが特徴で、PDA向けOSから発展してきたWindows Mobileよりも携帯電話に融合した使い勝手を提供するOSと期待が寄せられている。搭載スマートフォンは2010年末に登場するとされている。

図4 ユーザインターフェース
図4 ユーザインターフェース
資料提供:マイクロソフト株式会社

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