これからはじめる「ストレージ仮想化」入門

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製品の基礎をきちんと理解! IT製品解体新書

これからはじめる「ストレージ仮想化」入門

2010/03/08


 コンピュータシステムの利用場面が拡大するにつれ、企業内のデータは増加の一途をたどっている。この状況により拍車を掛けているのが、HDDやSSDといった記憶媒体の低価格化だ。その結果、ストレージ導入のハードルは低くなったものの、多くのストレージが乱立する事態を招き、運用負荷の増大という別の問題点を生み出した。こうした課題に対するソリューションが、「ストレージの仮想化」である。ベンダの異なるストレージ群を仮想的に統合し、1つのストレージプールとして利用可能にする。今回の特集では、ストレージ仮想化の基本機能の解説に加え、ストレージ仮想化の登場背景や導入メリットにも触れていく。なお、選び方ガイドでは、製品を導入する際のチェックポイントについて解説しているので、そちらも併せてご参照いただきたい。

ストレージ仮想化

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ストレージ仮想化を解体しよう!

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ストレージ仮想化とは

 ストレージの仮想化は、ベンダの異なる複数のストレージを仮想的にまとめ、1つのストレージプールとして利用するためのテクノロジーだ。企業内に分散するストレージを統合し、運用負荷の低減と利便性の向上を実現する。

図1 ストレージ仮想化とは
図1 ストレージ仮想化とは
■ストレージ利用におけるユーザ企業の悩み

 「IT製品解体新書」でストレージの仮想化をテーマとして採り上げるのは今回が初めてだ。そこで基礎的な内容ではあるが、まずはサーバからストレージを利用する際の、データの扱いについて簡単に触れておく。一般的にストレージ内のディスクは、データの管理単位としては「ボリューム」と呼ばれる。つまり“ディスク=ボリューム”ということだ(ディスクを論理的に分割したものの1つをボリュームと呼ぶ場合もある)。ボリュームには「ブロック」という単位でデータが書き込まれ、このブロックが複数集まって「ファイル」を形成する。データの大きさとしては、ブロック<ファイル<ボリューム(=ディスク)となる。
 次に、サーバからストレージを利用する場合、データの記憶領域はボリューム単位で割り当てられる。上で述べたように、ボリュームは物理的なディスクであり、サーバとストレージは1:1の対応関係にあるといえる。データの保管場所は、特定のハードウェアに固定されるということだ。仮にほかのストレージに空き容量があっても、筐体を超えてデータを書き込むことはできない。ここにユーザ企業の悩みがあった。

■ストレージの仮想化は、既にSANで実現されている?

 ここまで読んできて、「いや、それは、既にSANで解決できているんじゃないか?」と疑問に思った読者の方もいるのではないだろうか。結論を言えば、それは「No!」だ。
 確かにSANでは、複数のサーバからストレージの共有ができる。当然サーバに直接つながれたDASに比べて、柔軟性は高い。しかし、サーバに対する記憶領域の割り当てや容量の管理は、結局ストレージ個別に行う必要がある。
 もう少し詳しく言えば、SAN配下のストレージは、ファームウェアを搭載したコントローラを持ち、それが筐体内のディスクを管理しているが、ボリュームやデータの管理はこのコントローラの制約を受けることになる。物理的なハードウェアを越えられないという点で、SAN配下のストレージも、DASも何ら変わりはない。
 こうしたストレージ管理の課題を解決するのが、ストレージの仮想化だ。データの管理と運用をコントローラから切り離し、複数のストレージを仮想的に1つのストレージプールとして利用可能にする。SAN配下にあるストレージを、より効率よく活用するためのソリューションが、ストレージの仮想化だと言えるだろう。

■ストレージ仮想化の仕組み

 ストレージの仮想化では、実際のボリュームの上に、仮想的なボリュームが展開されることになる。仮想ボリュームは、物理的なストレージとの依存関係はなく、仮想化対象となる全てのストレージを包み込む。各ストレージ内の実ボリュームは、仮想ボリュームと対応関係を持ち、サーバには仮想ボリュームだけを見せる形だ。
 この仮想ボリュームの存在が、データを物理的なストレージから切り離し、分散していたストレージ群を1つのストレージプールとして扱うことを可能にする。サーバが意識するのは、仮想ボリュームだけでいい。アプリケーションからのI/Oは、仮想ボリュームを経由して、適切なストレージ内の実ボリュームへと分配されることになる。
 実ボリュームも、仮想ボリュームとの対応関係を変えることで、その場所を柔軟に変更することができる。つまり特定のストレージ筐体の束縛から解放されるのだ。

図2 ストレージ仮想化の概念図
図2 ストレージ仮想化の概念図
資料提供:ファルコンストア・ジャパン

 こうした一連の仕組みを実現するのが、ストレージ仮想化製品である。詳しくは選び方ガイドで解説しているが、製品タイプとしては、汎用サーバにソフトウェアを搭載して実現するもの、アプライアンスとして提供されるもの、SANスイッチと一体になっているものに分類できる。当記事では各々、「ソフトウェア型」、「アプライアンス型」、「スイッチ一体型」と呼ぶことにする。

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