失敗しない!「データセンタ」の選び方

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失敗しない!「データセンタ」の選び方

2010/01/12


 サーバ仮想化技術が進化したことで、サーバをより効率よく活用するためのソリューションが簡単に手に入る時代になってきた。しかし、その一方、ITシステムは益々複雑化するようになり、もはや自社の技術スタッフだけでは十分な運用・管理を進めていくことが困難なケースも目立ち始めている。そこで、こうした課題を解決してくれる1つのソリューションが「データセンタ」である。ここではデータセンタを選択するときに役立つポイントを詳しく紹介する。また「IT製品解体新書」ではデータセンタの基礎知識から最新動向までを解説しているので、こちらもあわせて参照していただきたい。

データセンタ

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1

データセンタの選び方

 データセンタを選ぶ前に、まずどのようなサービスを求めているのか、自社ニーズを整理しておくことが肝要。例えば、コロケーションサービスを利用する場合とホスティングサービスを利用する場合とでは、サービス内容や設備などの条件も大きく異なってくる。
 コロケーションサービスを利用したい場合には、データセンタの立地条件やIT機器の保全設備、スタッフの現地での作業性などが特に重要になってくる。また、ホスティングサービスやクラウドサービスを利用したい場合には、選択できるサーバ(OS、CPU、メモリ容量、ディスク容量、サーバ仮想化技術)やネットワーク機器(スイッチ、ファイアウォール、IDS、ロードバランサ、NASなど)の種類を確認する必要がある。こうしたポイントの違いをよく理解した上で、次の4つの視点から検討を重ねていくとよい。

サービス選択の4つの視点

1:

データセンタの基本仕様を確認しよう

2:

データセンタ見学会へ参加しよう

3:

サービスメニューの充実度を確認しよう

4:

アメニティの充実度を確認しよう

要件1

データセンタの基本仕様を確認しよう

 データセンタの基本仕様としては、立地条件と基本設備の2つに分けて確認していこう。

■立地条件

 コロケーションサービスを利用する場合、立地条件は大きな選択ポイントの1つだ。会社が都市部にある場合には、交通の便を考えれば、郊外型データセンタよりも都市型データセンタのほうが利便性は高くなる。このとき、会社との距離だけでなく、実際にITシステムの運用に従事する技術スタッフの自宅との距離まで考慮して選択すると、休日などに緊急事態が発生したときも迅速に駆け付けることができる。また、たとえ交通の便がよいといっても、自動車を使う場合には、交通渋滞の状況も確認しておかないと、たとえ距離は近くてもなかなか現地にたどり着けないということになってしまう。
 一方、コロケーションサービスとホスティングサービスのいずれにも共通していえるのは、「地震に強い地盤か」、「洪水の心配はないか」、「落雷の被害を受けにくいか」、「周辺に危険な建物はないか」といったポイントだ。この場合、湾岸沿いなどの埋立地に建てられているデータセンタは危険に感じるかも知れないが、実際には液状化の可能性がある地層よりもさらに深いところにある固い地層まで地中連続壁(建物と地下の固い地盤とを結ぶ壁)が設置されていれば建物が沈下あるは浮上する心配はほとんどない。また、津波の心配については、行政の都市計画で決められている津波に対する基準をどの程度上回って建物が建築されているかを確認すればよい。つまり、不動産物件を探すときと同じ目線で評価するとよい。

■基本設備

(1)電力供給
 データセンタの基本設備として事前に確認しておきたいのは、まず電力供給に関する項目(UPS能力、発電設備、ラックあたりの最大電源容量など)だ。UPSについては、「予備機が用意されているか」、「冗長構成になっているか」、「全負荷で何分バックアップできるのか」などを確認したい。また、UPSのバッテリ寿命はその使用環境によって大きく変化する。バッテリの保証期間もUPSベンダによって異なるので、UPSの保守体制についても確認しよう。
 発電設備もUPS同様、「予備機が用意されているか」、「冗長構成になっているか」、「全負荷で何時間バックアップできるのか」を確認しよう。発電設備としてはガスタービン発電機が設置されているケースが多いが、このとき発電機の燃料である重油の備蓄や非常時の補給体制も確認しなければならない。例えば24時間無給油で稼働する発電機の場合、停電が2日以上になった場合、備蓄あるいは補給がなければバックアップできなくなる。備蓄に関しては消防法などの制限があるので、補給体制も必ず確認すること。
 また、ラックあたりの最大電源容量についても、例えば20Aの電源回路を2系統、3系統と追加していけば増やすことができるが、実際には空調設備の冷却能力によって制限を受ける。従って、実際にどこまで1ラックあたり電源容量を増やせるのか、大規模システムを運用する場合には確認する必要がある。

(2)通信回線
 次に、確認しておきたい設備は利用できる「通信回線の種類(共用回線サービス、専用回線サービス、従量課金回線サービスなど)」と「回線総量」だ。データセンタ事業には、サーバベンダ系、SIer系、キャリア系などの事業者が参入しているが、キャリア系のデータセンタ事業者を選択した場合にはそのキャリアの通信回線を使用することになる。キャリア系の事業者の場合、サーバを大容量バックボーンに直結できるというメリットがある。また、NTT保有のデータセンタの場合、主要な通信ケーブルを地震などの災害から守るために専用に設けている地下トンネル(とう道)設備(図1)や管路設備で接続されているので、架空設備で接続されているデータセンタに比べると、地震などの災害が発生しても被害を受ける度合が極めて低い。

 一方、マルチキャリアを選択したいなら、キャリア系以外の事業者を選択しなければならない。この場合、障害発生時に自動的に回線を切り替えるバックアップ用接続回線を用意しているデータセンタを選択すれば、トラフィックの切断時間を最小限に抑えることができる。回線接続のSLAを表示しているデータセンタなら、信頼性が高く、安心して利用できる。

図1 とう道設備の例
図1 とう道設備の例
とう道(地下トンネル)の東京都内総距離は約370kmで、全国の総距離は約1000km(電力線等との共同溝を含む)。とう道から先は「管路」という地下ケーブルが枝のように分かれ、さらに細い管が地上の電柱やビルへと続いている。
資料提供:NTTコミュニケーションズ

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(3)その他
 このほか、「空調設備(高密度で収容した状態でラックを配置することができるか、冷却システム故障時の対応など)」、「耐震設備(耐震構造、免震構造、制震構造)」、「セキュリティ設備(入退室認証、ラックの鍵管理方法など)」、「拡張性(総ラック数、総床面積、搭載可能重量など)」も比較評価しておこう。

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