進化し続けるデータセンタと注目のサービス

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製品の基礎をきちんと理解! IT製品解体新書

進化し続けるデータセンタと注目のサービス

2010/01/12


 自社でサーバを持たなくても高度なITシステムの構築・運用を可能にする「データセンタ」は、ブロードバンドの普及とともに以前から高い注目を集めてきたが、世界的な経済不況の今、設備投資や運用コストの削減に役立つ有効手段としても、さらにその需要に拍車がかかっている。また、最近では「クラウドサービス」の提供が始まるなど、データセンタのサービスメニューも一層充実するようになってきた。そこで、今回は、データセンタを有効利用するときに役立つ基礎知識からデータセンタの注目サービスまで、その最新事情を詳しく紹介する。

データセンタ

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データセンタを解体しよう!

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データセンタとは

 データセンタとは、耐震性に優れたビルに高速の通信回線を引き込み、サーバやネットワーク機器などのITシステムを一括して預かる専用施設、あるいはそれにともなう設計・運用・保守などの各種サービスを指す。データセンタとして使用される建物は、災害などからITシステムを守るために堅牢な構造になっているのが一般的で、さらに情報漏洩などを防ぐために高度なセキュリティ機能も完備されている。

図1 データセンタの室内設備の例
図1 データセンタの室内設備の例
データセンタでは、建物自体の堅牢性だけでなく、室内設備、室外設備、セキュリティにも万全な対策が施されている。
資料提供:NTTコミュニケーションズ
■「立地条件」で見るデータセンタ

 データセンタを立地条件から大別すると、「都市型データセンタ」と「地方型(郊外型)データセンタ」に分けることができる。データセンタは、地震、洪水、落雷などの自然災害のリスクが少なく、堅牢な地盤を持った場所を安価な地価で確保できることが理想的だが、こうした条件を満たしてくれるのが「地方型データセンタ」である。一方、信頼性の高い電力供給や高速大容量の通信回線の確保、あるいは利用者がアクセスしやすい交通環境もデータセンタに求められる重要条件であり、これらの条件を満たしてくれるのが「都市型データセンタ」である。
 都市型にしても地方型にしても日本は地震大国であることから、建物の堅牢性として「耐震構造」、「制震構造」、「免震構造」などが採用されている。

建築構造の用語解説

耐震構造

建物の強度や靭性を向上させることで、地震力を受けても破壊や損傷が起きない構造

制震構造

建物にエネルギー吸収機構などを組み込むことで、地震力を吸収して破壊や損傷を防ぐ構造

免震構造

建物の基礎部分にアイソレータやダンパーを敷くことで、地震力を受けないようにして破壊や損傷を防ぐ構造

■「設備」で見るデータセンタ

 次に、データセンタの室内設備としては、データセンタの入退館をチェックして不審者や部外者が勝手に出入りできないようにするためのセキュリティ体制や監視体制が導入されている。具体的には、ICカード錠、カメラ監視によるコロケーションルーム入退室管理、キャビネットラックの施錠、警備員による24時間監視などをあげることができる。
 また、データセンタで火災が発生した場合、放水による消化を行うとサーバなどの機材がダメージを受けて貴重なデータが消失する恐れが出てくることから、放水による2次災害を防ぐためにガス系の消火システムが採用されている。
 さらに、空調設備に関しても、新しい空調方式を積極的に導入することでCO2排出の削減に取り組んでいたり、ラック前後と天井面との空間を十分に確保することでシステムの空間熱処理を効果的に行ったり、空調機を別室に設置することで空調機のメンテナンス時にもシステムのセキュリティを確保できるようにしている。
 このほか、電力供給面でも、万一の商用電源異常に備え、無停電電源装置(UPS)が設置されている。停電が長期化した場合でも自家発電システムによるバックアップが可能になっている。

コラム:「コンテナ型データセンタ」と「モジュール型データセンタ」

 データセンタといえば、地震に強いビルにサーバルームを設置するスタイルが一般的だが、最近では「コンテナ型」と呼ばれるデータセンタも登場するようになった。これは、高密度、高エネルギー効率のサーバルームを20フィートの輸送用コンテナに組み込んだもの。コンテナ型データセンタの場合、工場出荷の段階でITシステムや空調設備、電源設備などが組み込まれ、現地ではそのまま屋外に設置し、あとは通信回線と電力供給を行うだけで済む。従って、建物を建築する必要がなく従来のデータセンタと比較すると10分の1の期間でデータセンタの稼働を開始できる。サン・マイクロシステムズ、HP、IBMなどが製品化を行っている。
 また、「モジュール型」のデータセンタも製品化されている。これはサーバやストレージ装置などのIT機器やその冷却装置などを、小規模な1つの「モジュール」内に機器稼働効率が最大限となるよう配置したもの。モジュールは屋内に設置するが、サーバルーム全体を冷却する必要がなくなるため、従来設備比で空調電力を70%、床面積を70%〜80%も削減できるという(日立製作所の場合)。

図2 モジュール型データセンタ
図2 モジュール型データセンタ
冷却装置・IT機器の最適配置により、省電力、省スペース化を実現している。
資料提供:日立製作所

■「サービス」で見るデータセンタ

 今度は、データセンタをサービスという面から分類すると、「コロケーションサービス(ハウジングサービス)」と「ホスティングサービス(レンタルサーバ)」に大別できる。コロケーションサービスとは、データセンタ内に顧客専用のラックを用意してITシステムを預かるサービスのこと。空調・電源・通信回線などが安定確保されている万全なデータセンタ内に自社専用のラックを用意してくれるというもので、自前でラックを持ち込むことができるデータセンタもある。つまり、自社でシステム構築から運用監視体制まで実行できる場合、データセンタの安全なスペースと信頼性の高いネットワークインフラだけを利用することができる。
 一方、ホスティングサービスとは、データセンタ事業者が提供するサーバなどの機材や設備の一部を借り受けるサービスのこと。ホスティングサービスではネットワーク環境、ミドルウェア、データベースなどのシステム構築から、運用監視・障害対応サービスまで、さまざまなニーズに応えるフルアウトソーシング(マネージドサービス)も利用することができ、この場合、ユーザは自社の中核業務に専念することができる。

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