全社導入を前提に考える「ECM」の選び方

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全社導入を前提に考える「ECM」の選び方

2009/12/07


 業務で使用する文書などのコンテンツの利用、管理、保管、配信、セキュリティなどの機能を、組織全体にわたって実現するプラットホームがECMツールである。紙文書、オフィス文書、帳票、電子メール、動画、静止画、音声などの非構造化情報は、さまざまなデータ形式で保管・利用されているが、ECMツールは、飛躍的に増加するこれらの情報を効率的に管理・運用する仕組みを提供することから、今後の導入促進が期待されている製品分野だ。そこで、今回はECMツールを導入するときに役立つ選択ポイントを分かりやすく紹介する。また、ECMツールの基礎知識については「IT製品解体新書」で紹介しているので、そちらも参考にしていただきたい。

ECM

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1

ECMツール選びの4つの視点

 ECMツールはERP同様、全社規模で導入すべきツールであることから、ECM導入に当たっては、以下のような課題に直面することになる。

ECMを全社導入する際に発生する課題

すでに社内には膨大な量のコンテンツがあり、どこからどう手をつければよいか分からない。

コンテンツを管理するための全社的な基本ルールが整備されていない。

紙文書と電子コンテンツが混在しており、紙・電子の両方に適用できる運用ルールが必要。

ECM導入後の運用管理体系をどのように決めていけばよいか分からない。

 そこで、製品選択に入る前にSIerなどが提供している「ECM導入支援サービス」などを利用するとよい。例えば、「ECM導入準備コンサルティング」では、ECMコンサルタントがコンテンツ管理規定までの導入準備フェーズを支援し、膨大な文書の棚卸作業や文書管理規定の作成を専門家に任せることができる。その結果、管理すべきコンテンツの適切な取捨選択と分類、セキュリティ設定方法などが明らかになり、ECMツールにコンテンツを効率よく取り込むことができるようになる。また、膨大なコンテンツをECMツールに登録したい場合には、「データスキャニング一括登録サービス」を利用すると、紙文書のスキャニングを行いECMツールへの一括登録作業を行ってくれる。登録の際には指定の属性設定も合わせて実行してもらえる。さらに「データ移行一括登録サービス」では、既存の文書管理ツールからデータを抽出し、ECMツールへの一括登録作業を行ってくれる。この場合もデータ抽出の際に既存文書管理ツールの属性情報を抽出し、ECMツールに登録してもらうこともできる。
 こうした支援サービスを通じて、自社のECMツールの活用方法を明確にした上で、次の4つの視点から製品選びの検討を重ねていくとよい。

ECMツール選びの4つの視点

1:

必要な基本機能を確認しよう

2:

大容量コンテンツに対するパフォーマンスを確保しよう

3:

操作性に対する評価はどうか

4:

各種アプリケーションとの連携性はどうか

要件1

必要な基本機能を確認しよう

 ECMツールがカバーしている機能範囲は非常に広いことから、まず自社ニーズを満足させることができる機能がそろっているかどうかを確認する必要がある。このとき、標準機能で提供されている場合と、オプション機能で提供されている場合、またカスタマイズやサードパーティ製品で対応できる場合などに細かく分かれているので、必要な機能を揃えるのにかかるコストも合わせて確認しなければならない。そこで、表1に示すように、ECMの活用シーンごとにどんな機能がラインナップされているのか、その全体像を掴みながら、モジュールの取捨選択を行っていく。

表1 ECMツールの活用シーンと必要な機能
表1 ECMツールの活用シーンと必要な機能
例えば、コンテンツの期限管理を行い、確実な廃棄処理を実行したい場合には、レコードマネジメントのコンポーネントを選択すればよい。
資料提供:オープンテキスト

 ベンダによっては、オフィスアプリケーションのようにパッケージ化されていて、導入後、直ちに使えるようになっている製品と、データベース製品のようにミドルウェアという形で提供されていて、使いこなすまでに設定やコーディングが必要な製品とに分かれている。従って、必要な機能の実現方法(アプリケーション開発環境やAPIの充実度)も合わせて確認しよう。

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