企業向けグループウェアの変遷と最新事情

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製品の基礎をきちんと理解! IT製品解体新書

企業向けグループウェアの変遷と最新事情

2009/11/09


 企業内のコミュニケーションを円滑にし、情報の共有や有効活用を促進するためのツールとして活躍するグループウェア。電子メール、スケジュール共有、ワークフロー、文書共有、タスク管理、施設予約など、多彩な機能が統合され、企業における情報共有・活用基盤であり、もはやなくてはならないツールとなっている。近年ではSaaSモデルやホスティングモデルなど、安価で運用負担の少ない製品も増えるなど、中小企業にとっても導入しやすい状況になりつつある。そこで今回は、改めてグループウェアの基本的な仕組みや導入メリット、注目を集めている製品やソリューションの最新動向について解説する。また、導入にあたっての製品比較のポイントについては「IT製品選び方ガイド」に紹介しているので、あわせてお読みいただきたい。

グループウェア

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グループウェアとは

■グループウェアの源流

 グループウェアの源流へとさかのぼって行くと、1968年12月にダグラス エンゲルバート(Douglas C. Engelbart)博士が、サンフランシスコのコンベンションセンターでデモンストレーションしたNLS(oNLine System)を、グループウェアの起源とする説もある。まだパソコンの姿さえイメージされていなかった時代のことだ。
 ご存じのように、エンゲルバート博士は当時のデモにおいて、キーボードやマウスの原型を提案するとともに、Web技術であるハイパーテキストやファイルのリンクによる共同作業、あるいはオーディオビデオ・インターフェースを用いたネットワーク経由のコミュニケーションを提案した。
 博士らが提案したコンピュータを用いた共同作業の研究は、1980年代に入ると「CSCW(Computer Supported Cooperative Work:コンピュータにより支援された協調作業)」という概念を学術的に研究する組織やコミュニティに受け継がれた。
 CSCWは2つのグループに分かれ、CSでは協調作業を支援するテクノロジーに関する研究が行われ、CWではテクノロジーによって人間の協調作業そのものはどう変化するか、という社会学的な研究が行われた。1990年代に入るとCSCWにおけるグループウェアの研究は、CSCL(Computer Support for Collaborative Learning)という学会に引き継がれている。

■グループウェアの定義

 グループウェアの明確な定義が存在するわけではない。例えば、「共通の作業あるいは目標を持つ人のグループを支援し、共有する環境への1つのインターフェースを提供する、コンピュータベースのシステム(Clarence A. Ellis, CACM, 1991)」といった定義や、「共同作業を行うグループ(重要な作業や厳しいデッドラインを抱えた、プロジェクト指向の小規模なチーム)が利用するために設計されたコンピュータ支援を表す総称。グループウェアには、ソフトウェア、ハードウェア、サービスが含まれ、さらにグループプロセスの支援も含まれることがある(Robert R. Johansen, 1988)」といった定義もある。

 そこでグループウェアの専門家である、みずほ情報総研のビジネスコンサルティング部シニアマネージャー、吉川日出行氏に定義について尋ねた。
 吉川氏によると、昔はグループウェアのことをグループ・コラボレーションツールと呼んでいた。会議での発言をマッピングして議論の過程がわかるようにしたり、ネットワークを介して遠隔地同士で会議ができるようにしたりするディスカッション支援ツールが大学などで盛んに研究された。その後、ファイル共有や電子メールシステム、スケジュール、会議の設備予約などの機能が統合されて、その総称をグループウェアと呼ぶようになったのである。
 同氏によれば、電子メールとスケジューラまでを統合したものがグループウェアと呼ばれるようになったのは、Lotus NotesのR4やR4.5あたりからであり、それ以前はグループウェアとメールシステムは別物だったという。Lotus社が当時のグループウェア製品だったNotesにメール製品であるcc:Mailを統合し、これに習って国内各社からもメールシステムを統合した製品が次々とだされ、デファクトスタンダードになったようだ。

 ご存じのように、Lotus Notes/Dominoは、Lotus Notes/Domino R4.6のリリースからLotus Notes/Domino 6.5(2003年)あるいはLotus Notes/Domino 7(2005年)あたりまでは、まさに「Lotus Notes/Domino=グループウェア」と言えるほど圧倒的な市場シェアを誇った。そのため、Lotus Notes/Dominoに搭載されていた機能が、そのままグループウェアの標準機能として語られるようになった。

図1 グループウェアの概念図
図1 グループウェアの概念図
グループウェアとは共同作業を支援するための様々なアプリケーションの集合体である

 ここではおおまかに、グループウェアとは、同じ目的を持ってグループで作業をするユーザを支援するために設計されたアプリケーションの集合体である、と考えよう。

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