会社を守る「IT資産管理ツール」の選び方

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会社を守る「IT資産管理ツール」の選び方

2009/09/18


 中堅・大手企業では導入が一巡したと言われているIT資産管理ツール。しかし、今回の取材を通して見えてきたのは、既に製品を導入しているにも関わらず、うまく使いこなせていないというユーザ企業の実態だ。実際に、あるベンダが昨年ユーザ企業を訪問した際にヒアリングをしたところ、約8割の企業がこの悩みを抱えていたという。そこで今回の選び方ガイドでは、そもそも“現在使用中の製品を活用できるのかどうか”を見極めるところから話を始めてみたい。製品の基礎機能や運用を支援する機能/サービスについては「IT製品解体新書」で紹介しているので、併せてご参照いただきたい。

IT資産管理ツール

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「IT資産管理ツール」の選び方

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現状を把握することからはじめよう

 そもそも「ツール」を選択する以前に重要となるのは、自社に最適なソフトウェア資産管理(Software Asset Management:以下SAM)を実現するための「ポリシー」の策定だ。ポリシーが明確になってこそ、必要なツールも見えてくる。何を目的として、どんな製品を対象に、どのレベルまでの管理を行なうのか。目的として挙げられるのは、例えば管理コストの削減、コンプライアンスの向上、情報セキュリティの強化などだ。目的に応じてポリシーも変わってくる。

■専門家にも相談して、ポリシーの策定を行なう

 SAMの普及活動を行なうNPO法人「ソフトウェア資産管理コンソーシアム(以下SAMCon)」によれば、最近では、SAMの構築以前に自社のどこが悪いのかをチェックするため、SAMConの提供する「ソフトウェア資産管理規準」や「ソフトウェア資産管理評価規準」を使って成熟度分析をするユーザ企業が増えているという。ただしこれをユーザ企業自身でやるのは難しいようだ。どんなライセンス体系があるのか、あるいはライセンスの種類はどれぐらいあるのか。こうした専門知識が必要になるからだ。
 やはりプロであるコンサルティング会社や監査会社にサポートしてもらいながら、取り組んだほうが確実だろう。

■対象範囲を決める

 ポリシーの策定が終わったら、次に対象範囲を決める。ここでいう対象範囲は大きく2つで、1つめが管理対象とするソフトウェアの範囲、2つめが取り組む企業の範囲だ。

 SAMConによれば、仮に企業内にPCが2000台あったとすれば、見つかるソフトウェアは約6000種で、そのうちの9割は1〜50台以下でしか使われていないという。会社として管理対象とするソフトウェアをどうするか、レアなものについては使っている個人の責任で調べさせるのか。これらのことを考えていく。
 取り組む企業の範囲については、自社だけでやるのか、グループ全体でやるのかということだ。要はコンプライアンスを利かせる範囲をどこまでにするのか。ちなみに大企業では、現在グループで取り組んでいるケースが多いという。

 内部告発やベンダ監査の対象となるのはあくまでも企業単位で、ベンダ対ユーザ企業の図式となる。企業コンプライアンスの観点から見れば、部門単位で取り組んでもあまり意味がない。

■管理体制を決める

 対象範囲を明確にしたら、次に取り組むのは管理体制の構築だ。SAMを進める上での役割分担を行ない、企業内での責任の所在を明らかにしておく。
 具体的には、ソフトウェアの購入を担当する部門、実装と運用管理を担当する部門、正しいライセンス使用が実現できているかをチェックする部門だ。実際には各々購買部門、IT部門、経営企画部門が相当するだろう。
 購買部門については、そもそも自分たちの大命題としてコスト削減がある。不正ライセンス使用による和解金や罰金などの支払いは絶対に避けたい事態だ。そのためには購入ライセンスの管理工数を減らし、さらに調達計画を随時見直していく必要がある。
 IT部門については、実装後にSAMに則った正しい運用を行ない、常に現状の課題を把握できるようにしておくことが重要だ。
 経営企画部門については、コンプライアンスの順守という観点から、不正ライセンス使用によって法的責任を問われるリスクの減少を考える必要がある。そのためにはSAMの観点から、定期的に使用ソフトウェアとライセンス証書との突合をしなければならない。そのための啓蒙活動や働きかけを、購買部門とIT部門、さらには全体のエンドユーザに対しても行なう。
 こうした体制作りは、IT部門のマネジャーが単独でできる仕事ではない。経営トップがその必要性に気付いて指示しなければ実現できない取り組みだ。SAMをうまく進めている企業は、やはり経営トップの理解から始まっているという。

図1 各部門の役割
図1 各部門の役割
(資料提供:コア)
■導入ソフトウェアの棚卸しをする

 上記までの準備が整ったら、いよいよ実際に現状を把握するフェーズに入る。

 ここで行なうことは、所有ライセンスを把握すること、現時点でのインベントリを収集して、どんなソフトウェアがインストールされているのかを把握することだ。
 所有しているライセンスについては、買ってはいるものの、ユーザ登録がされていないというケースもあり、ユーザ側では正確に分からないというのが実情のようだ。ソフトウェアベンダなど主に著作権者で構成される非営利団体「BSA(Business Software Alliance)」によれば、その際には極力ソフトウェアベンダに問い合わせてもらったほうがいいという。ユーザ登録がされていなければ、当然ベンダ側でもライセンスの把握はできていない。この状態でユーザ企業が独断で所有ライセンスを決めてしまうと、ベンダ側の認識とズレが生じた場合、トラブルになる可能性がある。ベンダも巻き込んで、現状のすり合わせをすることが重要なポイントだ。
 インベントリの収集については、ここで現在導入済みのIT資産管理ツールを活用することができる。

■各種の管理台帳を作成する

 前フェーズで収集したインベントリ情報は動的なもので、それだけを見ても正しいライセンス下で使用されているものかどうかは分からない。それを検証するためには、3つの管理台帳が必要だ。
 まずベースとなるのが、ソフトウェアがインストールされているクライアントPCを管理するためのPC台帳、次にインストールされているソフトウェアを管理するためのソフトウェア台帳、そして正しい所有ライセンスを記載したライセンス管理台帳だ。収集したインベントリ情報はソフトウェア台帳のみに関係する。
 SAMConによれば、ユーザ企業の中には、PC、ソフトウェア、ライセンスを1レコードで管理しているところがあるとのことだが、各々ライフサイクルが異なるものだ。この方法で、ライセンスの過不足やアップグレード/ダウングレードのタイミングまで把握することは難しい。正しいSAMを実現するためには、3つの台帳を作成し、それらの間できちんと関係性が保たれていることが必要だ。

 ここで本題からは少し離れるが、SAMを進める上で、ユーザ企業が心に留めておかなければならない重要な作業について触れておこう。それが所有ソフトウェアと、ライセンス証書/メディアとの照合だ。これは人間の手作業で行なうしかない。
 あるベンダの話によれば、SAMに取り組み始めたのはいいものの、ライセンス証書とメディアをユーザ部門に渡してしまっていたため、一旦それらを回収するところから始めなければならないユーザ企業があったという。その企業では一部屋を潰して回収した証書/メディアの保管場所とし、3人の担当者が丸3日をかけて突合を行なったという。非常に泥臭い作業ではあるが、SAMを実のあるものにするためには避けては通れない作業だ。

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