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ワークフロー選び 4つの基本原則

2009/08/24


 ワークフローは、社内の各部門を巡回していた書類を電子データ化し、コンピュータネットワーク上で回覧するしくみを提供するツールとしてスタートし、今では企業活動全体を可視化するのに役立つツールとして成長を遂げている。しかし、実際の企業活動では、組織改編や人事異動,業務フローの変更などは頻繁に起こるものであることから、ワークフローの運用には手間とコストがかかる。そこで、今回はワークフローの導入効果を最大限に引き出してくれる製品選びのポイントについて詳しく解説する。

ワークフロー

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ワークフローツールの選び方

■製品選択に入る前に-----ワークフローツール以外のワークフロー機能

 本稿では、ワークフローツール(専用ツール)の選び方について解説するが、これらの専用ツール以外にも、ワークフロー機能をサポートしている製品群があるので、この辺りの現状を最初に説明しておきたい。

■グループウェアのワークフロー機能

 まず、もっとも利用ユーザ数が多いと思われるのがグループウェアで提供されているワークフロー機能だ。これらの製品の中にはワークフローツール(専用ツール)からスタートし、機能強化を進めた結果、グループウェアに進化したものもあり、その場合には専用ツールと同等の充実した機能を利用できる。しかし、そうした製品はごく一部であり、一般的にいえば、グループウェアの標準機能として提供されているワークフロー機能は専用ツールの簡易バージョンといった位置づけになる。つまり、専用ツールで提供されているような本格的なワークフローデザイン機能やフォームデザイン機能を手に入れることは難しく、申請書を回す順番に申請先を登録していくだけの機能しかサポートしていなかったり、条件分岐といった細かいフロー制御や差し戻し、管理権限の移譲などを行うことができなかったりする。従って、複雑なワークフローを設定する必要がない場合や、自社独自のフォームにこだわる必要がない場合に、グループウェアのワークフロー機能が重宝する。
 一方、グループウェアの標準機能ではなくオプション機能としてワークフロー機能が提供されている場合には、多種多様なワークフローにも対応できるケースが少なくなく、グループウェアとの親和性を重視する場合には有力候補の1つになる。こうしたグループウェアベンダからの攻勢を受け、ワークフロー専用ツールベンダ側もグループウェアとの連携強化を進めている。

■文書管理システムのワークフロー機能

 グループウェアだけでなく文書管理システムでもワークフロー機能が提供されている。この場合の強みは、ワークフローで使用する申請書などの文書類に対して、文書管理ツール独自の優れた参照・検索機能、あるいはバージョン管理機能が同時に利用できるところだ。例えば、項目検索、全文検索、絞込み検索、類似検索などを使って、ワークフローで必要な文書を簡単に探し出すことができる。
 また、文書管理システムを提供しているベンダの中で複合機も手掛けているところでは、ワークフロー機能と複合機との連携機能で強みを発揮している。例えば、ワークフロー回覧文書を複合機で印刷し、手書きコメントや捺印後に再び複合機でスキャン入力することで差し替えを可能にしたり、複合機から文書をスキャン入力してワークフローを自動起動させたりすることも可能だ。ただし、文書管理システムの場合には、ワークフローデザイン機能はサポートされていてもフォームデザイン機能はサポートされていなかったりすることから、本格的なワークフロー機能を利用したい場合には、グループウェア同様、ワークフローツール(専用ツール)とのシステム連携を図るのがベストだ。

 こうした各製品群が持つ特性の違いをよく理解した上で、次の4つの視点からワークフローツール選びの検討を重ねていくとよい。

1:

必要な基本機能とその使い勝手

2:

全社規模で導入した場合のパフォーマンスと運用管理機能

3:

システム連携の豊富さ

4:

内部統制への対応

コラム:ワークフローからBPMへ

 いろいろな製品群がワークフロー機能をサポートするようになってきたが、専用のワークフローツール側も、より使いやすい機能を求めて進化を続けている。その1つがBPMツールとしての方向性だ。ここで、BPM(Business Process Management)とはビジネスプロセスの現状または将来像をモデル化し、それを情報システムに適用すること。このBPMを実現するには、複数の部署やシステムにまたがる複雑な業務全般をワークフローで接続し、業務全体の効率化を図るとともに、業務品質の向上と統制強化を実施するためのBPMツールが必要になる。
 例えば、図1に示すベンダでは、従来の申請承認のみのワークフローを業務プロセスをフロー化できるBPMへ進化させることで、現在抱えている課題解決を狙っている。例えば、人のアクションを受け、次の担当者にアクションを促すアラートなどをポータル画面やメール、一覧画面を使って表示・伝達する「ヒューマンワークフロー」(人と人の作業連携)を支援する機能や、複数のシステムにわたり一連の処理をリアルタイムかつ自動的に進めていく「システムワークフロー」を支援する機能の提供を開始している。また各業務内のプロセス事の処理時間や処理量をリアルタイムに計測し、業務のボトルネックが一目でわかるようなポータルへのグラフ表示も可能だ。

図1 ワークフローからBPMへ
図1 ワークフローからBPMへ
BPMでは従来のワークフロー(ドキュメントワークフロー)に加えて、「ヒューマンワークフロー」と「システムワークフロー」も制御対象となる。
(資料提供:NTTデータ イントラマート)

要件1

必要な基本機能とその使い勝手

 ワークフローツールでもっとも気になる機能は、ワークフローデザイン機能とフォームデザイン機能の2つだ。これらの機能が充実していないと、自社ニーズに合ったワークフローを設定したり、用途に合わせて申請書などをカスタマイズしたりすることができなくなり、専用ツールを導入した意味が薄れてしまう。特に、最近ではGUIが向上しているので、見栄えばかりに気を取られ、必要な機能の確認がおろそかになりやすいので、注意しなければならない。例えば、部署の統廃合が頻繁に行われる組織の場合、ワークフロー中に承認予定者の所属部署が廃止されるなどして、ワークフローが停滞することがある。そのような場合、管理者のオペレーションで経路を全面的に変更することができる「廃止部署対応機能」がサポートされていると重宝する。

■マイクロソフトのOffice製品との親和性

 ワークフローツールは各部門で、それぞれの担当者が使用することになるので、ITシステムに慣れていない担当者でもすぐに使いこなすことができるか、事前にその使い勝手や習得期間なども確認・評価しておくべきだ。普段から全社規模でWordやExcelを業務で使用している場合、使い勝手や導入のしやすさという点で考えると、マイクロソフトOffice製品との親和性が高いツールが有利だ。Word、Excelで作成した申請書フォーマットをそのまま入力画面として利用できる製品を選択したい。このとき、Excelのマクロ機能もそのまま利用できるかどうか、必要に応じて確認しよう。また、PDFにも対応している製品も入手可能だ。さらに、図2に示す製品では、フォームデザインツールとしてMicrosoft Office InfoPathを選択することが可能で、自由度の高いフォーム作成機能をフルに活用できる。

図2 InfoPathによる帳票デザイン
図2 InfoPathによる帳票デザイン
リッチ機能により、条件付き書式やデータ妥当性チェックを設定できるので、入力ミスを防止できる。
(資料提供:CSK Winテクノロジ)

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コラム:ワークフローの多国語対応

 国際化があたり前の今、複数の言語圏の人間が絡む業務が数多く存在することから、海外拠点をもつ企業では、ワークフローで出力されるメッセージやタイトル、ボタン表示を、使用したい言語にいつでも切り替えられるようにしたくなる。そんなときは多国語対応の製品を選択したい。「日本語で申請された業務を、中国語で承認し、英語で回覧」といったワークフローを実現でき、受け取り側の言語で電子メール通知を出すことも可能だ。


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