中堅・中小企業向け「ERP」選択のポイント

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中堅・中小企業向け「ERP」選択のポイント

2009/05/11


 ERPは中堅・中小企業でもこれからの競争力の維持・向上のために重要なシステムである。パッケージベンダが中堅・中小企業向けのパッケージのラインナップを拡充してスモールスタートもしやすくなり、SIerの十数年を超えるパッケージ導入・カスタマイズ経験も蓄積されてきている。ASP/SaaSでのERP利用が可能になり、オープンソースERPも登場する今、最も自社に適した製品・サービスはどれなのか、また導入にあたって注意すべきポイントは何なのか、ここでは中堅・中小企業で有効に活用できるERPパッケージとサービスの導入検討のポイントと、選択のポイントを考えてみる。「IT製品解体新書」でのERP基礎解説も、参考にしていただきたい。

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中堅・中小企業向けERP検討ポイント

1-1

ERP導入の目的を明確にしよう

 ERPは「全体最適」を目指すものであるという常識にこだわって目標が抽象的になりすぎていないか再確認してみよう。業務効率改善、経営効率アップというかけ声はともかく、実際に納期短縮や生産コスト削減、売上向上、在庫圧縮などの具体的な課題がどう解決できるのかが重要だ。
 厳しいビジネス環境の中で生き延び、勝ち残らなければならない中堅・中小企業では、数年後の効果をあてにして悠長に構えていられるほどの余裕はないだろう。あまりに短期的な効果を求めてシステムが中途半端になるのは困るが、いつまでも結果が見えない導入プロジェクトはそもそも続けられない。「納期○日短縮」「在庫○%削減」などの数値目標と達成期限を決めて、実効あるERP導入が望ましい。そのような目標に対して、どれだけの貢献ができるのかをカギに製品やサービスを比較検討すれば、自社にとっての有用性がわかりやすくなるはずだ。具体的な導入効果については、各ベンダなどが公表している事例を調べてみるとよい。例えば次のような事例がある。

MRP(資材所要量計画)実現と在庫圧縮、リードタイム削減効果

電子機器の受託生産会社がMRP実現と部品管理に注目してERPパッケージの製造業種向けモジュールを採用。わずか2ヵ月で発注機能を稼働、その翌月には在庫管理や月次処理などを稼働させ、完全稼働をスタート。その結果、生産計画を登録すれば部品所要量が数秒で把握可能になり、在庫を従来の1/2にまで絞り込めた。更に在庫・発注残・検収残の状況が正確に把握可能になり、発注が月1回から2回に、納期は月1回から3回に増加。リードタイムも大幅に短縮。担当者の判断で行っていた発注業務も経営層の判断を仰いだ上で行えるようになり、財務的な余裕も生まれた。増加する部品点数にも余裕をもって対応でき、社内の情報共有も進んだ。<富士通GLOVIA smartの事例>

在庫が常に把握でき、月次棚卸が容易となり期末棚卸で棚卸消耗の発生がゼロになった。<東洋ビジネスエンジニアリング MCFrameの事例>

業務合理化による省力化効果

複数事業部門のデータがすべて1つのシステムで管理できるようになり、管理要員の削減ができた。   

生産管理システムと会計システムが日次で連携可能になり、月次でのバッチ処理が不要になったため、情報システム部門の負荷が半分以下に低減、要員の再配置が可能になった。

バッチ処理作業がなくなったことにより、決算日が1〜2日短縮した。<以上 東洋ビジネスエンジニアリング MCFrameの事例>

運送業を営む企業で会計と人事給与にERPパッケージを適用、伝票レス化が実現し、伝票処理時間が1/3にまで削減。給与システムでは締め処理後でも再計算が何度でも行え精度が向上。年末調整された給与明細が確定処理前に把握可能になった。また地方税のチェック作業や社会保険料の更新作業なども効率化。<富士通GLOVIA smartの事例>

経営指標の適時入手と経営分析の強化効果

人材派遣業を営む企業で給与・会計システムにERPパッケージを適用、システム連携により人件費の仕訳計上や人事給与データの一般会計システムへの入力を自動化。人事業務が大幅に軽減するとともに、経営管理データが迅速に入手可能になり、パッケージ装備のデータ分析機能を利用した売上、利益、原価率、請負と派遣の比率など、手作業では不可能だったさまざまな観点からの経営分析が行えるようになった。<富士通GLOVIA smartの事例>

 目的に沿ってERPパッケージが効果を発揮し、業務効率アップと経営のスピード化に貢献していることがわかる。各ベンダやSIerの実績/事例を調べ、自社の課題と照らし合わせてみることをお勧めする。

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