OSSサポートサービスを選ぶ4つのポイント

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OSSサポートサービスを選ぶ4つのポイント

2009/04/13


 ITシステムのコスト削減や、特定ベンダに縛られることなく容易にシステム変更を行える体制を築きたいなどの目的から、オープンソースソフトウェア(OSS)を活用するケースが増加している。これにともない、企業でもOSSを安心して導入できるようにするためのオープンソースサポートサービス(OSSサポートサービス)が注目を集めている。そこで、今回はメーリングリストや掲示板といったコミュニティリソースからサポートを得る従来の方法から脱却し、大きく一歩前に踏み出すためのOSSサポートサービスの選択ポイントを紹介する。また、OSSの基本解説や注目したいサービスメニューを「IT製品解体新書」で詳しく触れているので、こちらもあわせて参考にしてほしい。

OSSサポートサービス

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1

オープンソースサポートサービス選定の4つの視点

 オープンソースサポートサービス(OSSサポートサービス)を利用する前に、予備知識として必ず念頭に入れておきたいポイントは、OSSと言われているソフトウェアの中にはOSSバージョンと商用バージョンの2種類を持つソフトウェアがあるという点だ。従って、OSSサポートサービスの中には、特定のOSSに対して、商用バージョンしかサポートしていないケースもある。例えば、OSSのデータベースとして人気の高いMySQLの場合、GPL(General Public License)ライセンスと商用ライセンスという「デュアルライセンスモデル」が採用されている。GPLライセンスではMySQLを無料で手に入れることができるが、その使用にあたってはGPLのライセンス使用条件に従う必要があり、商用製品として使用する場合などは使用条件を詳細に確認する必要が出てくる(詳細はGNU GPL v3 日本語翻訳ドキュメント:http://ossipedia.ipa.go.jp/legalinfo/ を参照)。一方、商用ライセンスは有料になるが、商用での再頒布などを自由に行うことができ、日本でMySQLのライセンスを販売しているMySQLパートナ企業から以下のような商用サポートを受けることができる。

商用ライセンスで受けられるMySQLサポート例

セキュリティパッチやバグFIXが適用された、信頼性の高い安定版モジュールの提供

迅速なセキュリティ&バグFIXアップデートモジュールの提供

MySQL Network Monitering & Advisory Service
(MySQL環境を継続的に監視し、問題が顕在化する前に通知してくれる機能)

障害調査やソースコード調査などのQ&A情報の提供

 一口にOSSライセンスといってもいくつかの種類があり、その内容が若干異なることに注意を払う必要がある。たとえば、GPLはコピーレフトの代表的なライセンスで、Free Software Foundation(FSF)によって公開・維持されている。また、世界中で広く使われているOSSのJ2EEサーバ、JBossのライセンスはGNU (Lesser General Public License(LGPL))だ。GPLとLGPLでは、他のソフトウェアにリンクされて初めて機能するライブラリソフトウェアの扱いが異なる。GPLでは、そのライブラリを使用するすべてのソフトウェアに対してGPLに対する準拠を要求しているが、LGPLでは動的な(実行時)リンクにかぎり、GPL/LGPLに従わないソフトウェアでの利用も許容している。
 JBossのライセンス形態はLGPLだけだが、バイナリファイルにはコミュニティ版とエンタープライズ版の2種類がある。JBossエンタープライズ版の場合、パートナ企業と有償のサブスクリプション契約を結ぶことによってテスト済みで動作保証されたJBossソフトウェア(JBossのオープンソースコミュニティ(jboss.org)から安定したコンポーネントをRed Hat社で再構成し、企業向けにテスト・品質検査を実施して提供されたもの)、最新のパッチファイル、バージョンアップファイルを入手することができるようになる。さらに、サブスクリプション契約によって技術サポート、コンサルティング、トレーニング、ドキュメントの提供などを受けることが可能になる。
 一方、Webコンテナのデファクトスタンダートと言われているTomcatの場合にはApacheライセンス(Apache License)が採用されている。このライセンスではコピーレフトを要求しておらず、要求しているのは、ユーザがそのソフトウェアにApache Licenseのコードが使われていることを知らせる文言を入れることだけである。ただし、元々ある著作権と特許権の記述はそのまま保持する必要があり、修正が施されている場合は、その旨を追加記述しなければならない。
 こうしたOSSライセンス上の違いをよく理解した上で、次の4つの視点から検討を重ねていくとよい。

サポートサービス選択の4つの視点 

1:

サポート対象OSSのラインナップ

2:

サービスメニューの評価

3:

サポート技術力の評価

4:

サービス料金体系の確認

1-1

サポート対象OSSのラインナップ

 まず、自社で使用するOSSがサポート対象になっているかどうかから確認しよう。OSSの種類はかなり増えているので、使用したいOSSがサポート対象になっていないと、複数サービスベンダと契約しなければならなくなり、ワンストップでのサービスを受けることができなくなる。例えば独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、数多く存在するOSSの中からオフィスでの活用に適しているものを中心にオープンソース情報データベース(OSS iPedia)を提供しており、ここからOSSアプリケーションを探し出すことが可能だ。サービスベンダではどのようなOSSをサポート対象としているかを掲載しているが、大抵の場合、掲載されていないOSSについても個別に相談にのってくれるはずだ。このとき、Linuxディストリビューションの種類、OSSのバージョン、リビジョンなどの確認も忘れないことが重要である。
 さらに、サポート対象OSSを選択するときに参考になる情報として「オープンソースマップ」を提供しているサービスベンダもある(図1)。こうした情報を参考にすることで、OSSの開発やコミュニティが途中でなくなってしまうような不安定なソフトウェアを誤って選択するリスクを回避することができる。

図1 オープンソースマップの例
図1 オープンソースマップの例
これは野村総合研究所が独自にオープンソースの性能を調査したNRIオープンソースマップ(2008年4月版)。例えばMySQLは「企業システムで安心して利用可能」と評価されている。
(資料提供:野村総合研究所)

 このほか、サービスベンダごとに、以下に紹介するような独自のOSSソリューションが提供されているので、これらのラインナップもあわせて確認したい。

■商用ソフトウェアとOSSを組み合わせた独自の「ソフトウェアスタック」

  OSSだけでシステムを構築するのではなく、商用ソフトウェアもうまく活用しながら、高い信頼性と大幅なコスト削減の両方を同時に実現する基幹システム構築サービスを展開しているサービスベンダも少なくない。例えば、商用ミドルウェアとオープンソースのミドルウェアを適切に組み合わせた検証済みのソフトウェアスタックと、システム構築時の設定ノウハウなどを集約した構築ガイドから構成されているものがある。このほかにもOSSのSugarCRMをベースとしたCRMシステム構築サービスも提供されており、営業力強化を低コストで実現することが可能だ。

■OSSによる総合認証/シングルサインオンソリューション

 最近は、コンプライアンスへの対応、内部統制、リスク管理などを強化するため、認証やアクセス制御を統合して管理することが重要視されているが、こうした課題を解決するのにもOSSを利用することができる。たとえば、図2に示す統合認証/シングルサインオン(SSO)ソリューションでは、OpenSSOやOpenLDAPを活用することでマルチプラットフォーム、マルチベンダに対応したSSOを手軽に構築することができ、カスタマイズにより既存のシステムやアプリケーションにも対応できる。

図2 OSSによる統合認証/シングルサインオンソリューション
図2 OSSによる統合認証/シングルサインオンソリューション
アクセス制御の対象となるサーバにモジュール(ポリシーエージェント)を導入する。独自のポリシーエージェントを開発することも可能。
(資料提供:野村総合研究所)
■OSSによるサーバ仮想化ソリューション

 仮想化によるサーバ統合は、注目度の高いテーマの筆頭に挙げることができるが、仮想化はライセンス体系が不明な部分が少なくなく、商用仮想化ソフトではライセンス費用が高くついてしまう懸念があり、敷居が高く感じられる場合が多い。 
 そこで、OSSによる仮想化ソリューションも提供される時代に入ってきた。例えばノベルでは、中堅中小企業を対象に、Windowsサーバの仮想化を手軽に行うための「Xen仮想化スターターキット」を提供している。このソリューションではOSS仮想化ソフトXenを標準搭載するノベルの サーバOS「SUSE Linux Enterprise Server 10」と、仮想化されたWindowsを高速に動作させるための仮想化ドライバ「SUSE Linux Enterprise Virtual Machine Driver Pack」、そして「構築ガイド」から構成されており、ソフトウェアについてはサイオステクノロジーがサポートしてくれる。サポートによって、仮想化による技術をより活用しやすい環境が提供されることになる。

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