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MASHUP AWARD4 Report vol.1 地図上でチャット!ワンクリック目から楽しい「ChaMap」は未来を感じさせるMashupサービス!
最優秀賞作品「ChaMap」とは
ワンクリック目から楽しいユーザインターフェース
 「ChaMap」は、画面に表示される地図により、自分や相手のいる位置、話題になっている場所を確認しながらチャットができるサービスだ。チャット参加者は地図上にかわいいキャラクターで表示され、発言内容はその都度吹き出しで表示されるので、まるでインタラクティブなビデオゲームに参加しているよう。また、音声合成機能により発言は耳でも確認できる。無線LANを搭載しているデバイスを使用してこのチャットに参加すれば、WiFi電波を利用する位置推定サービスを利用して自分のいる位置を自動的に登録することができる。
「ワンクリック目から楽しいユーザインターフェース(UI)が秀逸。世界に進出する日本発のプラットフォームサービスとしてふさわしいUIなのではないか。未来を感じさせる」とは審査員のコメントだ。
地図を拡大して市街を表示すると、地図上に様々なアイコンが見えてくる。連携する様々なWebサービスがもつ地域情報を、地図上にアイコンでプロットしているのだ。例えば、レストラン情報や酒場情報、ホテル情報などがチャットしている地図上で探せるので、仲間同士で同じ地図を見ながらお喋りする雰囲気になる。そんなアイデアと画面の楽しさが一体となった完成度の高さが最優秀賞受賞につながったようだ。
ChaMap紹介図
Kentaro氏インタビュー
Webサービスからの情報表示ばかりでなく、実用+遊び心のサービスを
Kentaro氏 僕は福井県でフリーのSEとして仕事をしています。Google Maps APIを利用したWebサイトを構築した経験があったので、地図を使ったマッシュアップ作品でMashup Awards 4th(以下MA4)に応募しようと思い立ったのがChaMap開発のきっかけです。ところが、地図上に様々なWebサービスからの情報を表示するMashupサービスはMashup Awards 3rdの最優秀作品「ongmap.com」で既に極められていたんですね…。そのことに衝撃を受けながらも、「実用的でありながら遊び心がある」そんなサービスを作ろう、そしてその頃興味をもっていた音声合成も組み合わせてみようと考え、考えた末にできたのがChaMapです。
開発は今年8月にとりかかってから1ヵ月半の間、1日17時間。土日も休みなしという状態で、実質3人/月くらいの仕事をしていました。身体に悪いので皆さんは真似しないように(笑)。でも、もともとプログラミングが好きですし、音声合成やマッシュアップという自分にとって新しい分野に挑戦していたので、開発はとてもエキサイティングでした。
Web APIは個人では絶対できないサービスを可能にする
ChaMapをプレゼンするkentaro氏 数あるサービスのなかでも数行のコードで日本中の情報を網羅した地図ができあがるWeb APIの便利さは衝撃的でした。Web APIは緯度経度を出力して地図上にプロットできるものを選んで使用しましたが、特に既存のPC環境で無線LANさえ使えれば現在地が取得できる「PlaceEngine API」は便利です。地図サービスには必要な機能だと思います。もっとも僕の地元(福井県)ではまったく認識されませんでしたが…。もっと普及して欲しいです。
Web APIの魅力は、一個人では絶対に取得できない企業の膨大なデータベースが活用でき、またAPIを提供している企業が持つ特殊な技術を使えること。それによって個人でできるプログラミングの幅が大きく広がったと感じています。
開発時にもっとも苦労した点は、Internet ExplorerやFirefox、Safariなど各種ブラウザへの対応作業でした。大半の機能はAjax(Asynchronous JavaScript + XML)で実装したので、あるブラウザに対応させると他方でおかしくなることが多く、泥沼にハマった思いをしたこともありました。また、自宅サーバで開発しWebサービスを提供しているので、負荷が高くなりがちなチャットを行うとき、いかにサーバリソースを保護するかを考え、Apacheなどのサーバサイドのチューニングにも苦心しました。
なお、Web APIの連携はすべてAjaxで行いましたから、必然的にクロスドメイン制約がかかります。JSON(JavaScript Object Notation)出力のインターフェースがないAPIは基本的に使いにくかったです。XMLのみのAPIはFlashを通過させて使用したのですが、なかには連携したくともできないAPIもありました。
今後は多言語対応機能の追加とWeb APIを簡単に追加する機能の公開などが目標
 現在は、多言語対応チャンネルの追加を考えています。Google AJAX Language APIでリアルタイムに翻訳を行いながら世界中の人が会話できるシステムを立ち上げたいと思っています。また、セキュリティの強化やGoogleマップ・ストリートビューの共有なども考えています。改善のポイントは、“いかにして使っていただけるサービスにするか”だと思っています。
なお、ChaMapにはプラグイン形式でWeb APIを追加することができる機能を組み込んでいます。これは企業にとっては自社のAPIの活用場所を広げられ、利用者にとっては自サイトの情報の充実が図れるので双方にメリットがある機能です。しかし懸念されるのはWeb APIのサービス側に負荷がかかりすぎるのではないかという点です。そのため、まだこの機能を公開していませんが、いずれリクエスト方法を見直して負荷軽減措置をとるつもりでおり、実現した暁には、この機能(MashMaps=JavaScript)を公開するつもりです。
ChaMap
API提供企業を直撃!
クウジット株式会社取締役CTOの塩野崎敦さん 「ChaMapはサービスとして実運用できる段階まで作り込まれ、完成度が素晴らしい」と語るのは、PlaceEngine APIを提供しているクウジット株式会社、取締役CTOの塩野崎敦氏。「PlaceEngineが効果的に利用されているし、視覚効果が面白く、利用者がしたいことをきめ細かくサポートしてくれます」。塩野崎氏はMA4の審査員も務めたMashup推進の旗手の1人だ。同社が提供するPlaceEngine APIはChaMapでは参加者の現在位置取得に利用されている。MA4で「クウジット賞」を受賞したFallen(SRE氏作)をはじめ、さまざまな作品がPlaceEngineを使用していた。
Place Engineの機能と仕組み
PlaceEngineで現在位置(緯度経度、住所)を表示 PlaceEngineは、無線LANのアクセスポイントの位置情報をデータベース化し、無線LAN搭載デバイスがキャッチする電波情報からデバイスの位置を予測、現在地情報として伝えてくれるサービスだ。GPSよりも測位時間が短く、屋内や地下でも無線LANの電波さえあれば数m〜100m程度の精度で位置を推定することができる。PlaceEngineクライアントソフトは一般ユーザには無償で提供されているが、アプリケーションや携帯デバイスなどの開発企業に対して現在位置推定技術や開発業務を提供して対価を得るのが同社のビジネスだ。
現在、位置予測技術は各種のWebサイトで採用されているほか、PSPやiPhoneなど携帯デバイスの現在地や移動履歴に応じてきめ細かく情報を配信できる商用サービス「ロケーション・アンプ」も商業施設等で実験的に利用されている。またデバイスの持ち主(顧客など)の行動パターンを解析してマーケティングに役立てるなどの活用法も検討されているようだ。
API公開のメリット
 「私どものサービスの充実には、偏在する無線LANアクセスポイントからの電波情報をいかに豊富に収集できるかが大きなカギになります」と塩野崎氏。現在位置予測は、アクセスポイントからの信号を捉えたらそれを同社の位置情報DBに照らし合わせたうえ独自の計算処理によって位置推定を行う仕組みだ。したがって位置情報DBが充実すればするほど精度が高まる。
サービス提供前は塩野崎氏自身が山手線内や政令指定都市内など各地を歩いてアクセスポイントの位置情報を収集し、特定地域での実用に十分な情報を蓄積したという。しかし全国をくまなく情報収集に歩くのは不可能。そこにPlaceEngine APIの公開の意義がある。「利用者の方がPlaceEngineを利用してくださればくださるほど、位置情報DBが充実します。それは、私どものサービスの精度、質を向上させ、結果的には利用者の利便性や楽しみも向上させてくれます。そんなユーザー参加型の位置情報基盤となれるようなエコシステムを目指しています」。そこがAPI公開の最大のメリットだ。
マッシュアップの効果
 塩野崎氏はマッシュアップについて「現在広がりつつある技術のオープン化の流れの中の1つ」と捉える。「技術の進化サイクルはとても速い“インターネット時間”で進みます。それに対応するにはオープン化して多くの人に利用してもらい、改善していくのが得策」。新しいサービスのAPIを無償で公開すれば、サービスの方向性を実際の利用状況から探ることができる。どのような付加価値が必要なのかがわかれば、価値を加えたバージョンを有償にしてビジネスとすることもできよう。セキュリティホールや個人情報の流出などがないよう十分に気をつけたうえ、効果の測定法も考えておくことが大前提になるが、マッシュアップが自由にできるAPIの提供は、今後新サービスをスタートする企業にとってまず考えるべき要素になっていきそうだ。

作品レポート
サービス名 ChaMap(チャマップ)
エントリー名 Kentaro
URL http://chamap.net/
サービスの概要 地図の上で自分や相手の位置を確認しながらチャットができる。Google Maps APIを利用した地図表示、PlaceEngineを使った現在位置取得機能、発言を音声にするドキュメントトーカ等のサービスの軸となるAPIと、地図上に各種の地域情報を表示するための多数のDB検索サービスAPIをマッシュアップ。仲間と一緒に地図を広げて会話するプラットフォームを、使って楽しく見て温かいユーザインターフェースで実現している。
使用API 食べログ.com(カカクコム)
Google Maps API(グーグル)
ドキュメントトーカ(クリエートシステム開発)
BarNavi API by SUNTORY(サントリー)
Microsoft Speech Technologies(マイクロソフト)
PlaceEngine API(クウジット)
LocoSticker Geocode API(沖電気工業)
LocoSticker位置情報付きコンテンツ検索API(沖電気工業)
ガソリン価格情報API(ゴーゴーラボ)
楽天トラベル施設検索API(楽天トラベル)
じゃらんWebサービス/じゃらん宿表示API(リクルート)
ホットペッパーBeauty Webサービス(リクルート)
ホットペッパーWEBサービス(リクルート)
リクルート進学ネット(リクルート)
他の受賞作品
vol.2 優秀賞(ビジネス賞) 太田憲治作 「モバロケ」
PCや携帯電話の主要3キャリア、さらにiPhoneにも対応した企業サイトを無料で作れるMashupサービスに注目!
vol.3 優秀賞(テクノロジー)賞受賞作品 浜本階生作 「Newsgraphy(ニュースグラフィ)」
技術力とアイデアで高い評価を獲得したNewsgraphyをレポート!ニュースの注目度を2次元地図で表現したMashupサービスは見逃せません!





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