経済危機下の2009年は「SaaS」離陸の年に

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この先どうなる?が知りたいあなたに すご腕アナリスト市場予測

経済危機下の2009年は「SaaS」離陸の年に

2009/01/22


 2008年の急激な景気悪化を目の前にして、今後のIT投資のあり方を根本から考え直す企業も多いのではないだろうか。コストをかけてモノを増やし、自前で運用管理していく情報システムは、今後の経済情勢とビジネス環境を生き抜くために本当に有効なのだろうか? その疑問に対する答えのひとつがSaaS(Software as a Service)だ。この「持たざるIT」は2009〜10年以降、ソフトウェアに限らない「X」を提供するXaaSに進化しながら成長すると考えられる。変化するSaaSおよびXaaSの動向を注意深く見つめ、それらが実現する「規模の経済」を、自社にどのように採り入れるかが、新たな競争の時代を生き抜くカギとなりそうだ。

SaaS

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アナリストプロフィール

赤城知子

ソフトウェアグループマネージャー 赤城知子(Tomoko Akagi)

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アナリストファイル #46

IDC Japanのソフトウェアグループのマネージャーとして、ソフトウェア市場全般に関する調査の企画、製品管理、顧客対応の責任を持つ。アナリストとしては、エンタープライズアプリケーション分野全般を担当。特にERP、CRM、SCMが専門。



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IT投資のS字回復に向けて変貌するIT業界

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変化のカギとなる4つの要因とは?

 昨年は米国のサブプライムローン問題が表面化する中で原油高騰、円高などによる経済状況の悪化が進み、9月のリーマン・ショック以降わずか3ヵ月で国内の景況も急速に落ち込んでしまった。2009年のIT投資も低下局面からのスタートを余儀なくされている。
 今後、このIT市場の下降曲線がどこまで落ち込むのかは予断を許さないが、同じようなIT市場の落ち込みは、ITバブル崩壊と景気後退に見舞われた2001年から数年の間と重なる部分がある。このとき直前までY2K需要で好調だったIT市場は2002〜03年まで縮小を続けたが、景気が早期に上向くと同時に好転、08年まで続く上昇曲線を描いて拡大した。
 とはいえ、IT投資の回復は単に景気に連動したのではない。ユーザ企業のIT投資対象が時代に合わせて変化し、それにともなってIT市場自体も変貌を遂げてきた結果が回復の基調を生んだのだ。この時機のトピックとしては、通信のさらなるブロードバンド化やERPの普及、Linuxをはじめとするオープンソースソフトウェアの企業システムへの採用などがあげられよう。05年にはデータセンタビジネスが活況を呈するようになり、06年にはアウトソーシング契約の規模がプロジェクトベース契約の規模を追い抜くといった現象も起きた。07年に至るとSaaSやクラウドコンピューティングというキーワードが登場し、注目を浴びた。このような従来の企業ITの枠組みにはなかった選択肢が増えることにより、IT市場そのものが変貌を遂げてきたことがIT市場を活性化してきた。
 今回の景気悪化による一時的なIT投資の冷え込みは避けられないが、IT投資対象の新しい選択肢の登場と業界自身の変化により、IT投資の回復、ひいてはビジネスの回復を期待することは十分に可能だろう。その変化のカギとして、(1) ITのサービス化の進展、(2) IT投資の変化、(3) 規模の経済、(4) IT業界の変貌、の4つのファクターに注目したい。これらのキーファクターを主に具現化するのがSaaS、およびその先のXaaSであろう。

図1 世の中の動きとIT業界の景気動向
図1 世の中の動きとIT業界の景気動向

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