次世代インフラの基本 「仮想化」最前線

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次世代インフラの基本 「仮想化」最前線

2008/09/18


 サーバの運用効率を高める技術として注目され始めた「仮想化」は、ストレージやネットワーク、さらにはアプリケーションとその適用範囲を広げ、現在はITインフラの基盤としても定着しつつある。今回は、仮想化の概要とそのメリットを振り返りつつ、仮想化をとりまく最新動向として、x86系サーバにおける仮想化の導入状況やWindows Server 2008に仮想化技術が標準で組み込まれることによる影響などを見ていこう。

仮想化

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アナリストプロフィール

三浦 竜樹

シニアアナリスト 三浦 竜樹(Tatsuki Miura)

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アナリストファイル #032

カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校卒業後、広告代理店にて、日本HP、Citrixのマーケティングプラン策定、広告戦略に携わる。2001年4月より現職。担当は、モバイル・リモートアクセス、Webサービス、グリッド・コンピューティングなど。



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仮想化の概要

 近年、「仮想化」という言葉がIT関連のセミナーやWebサイト、雑誌の紙面などを賑わせている。まずは、この言葉について、今一度整理してみよう。小学館の大辞泉によると「仮想(する)」とは、「実際にはない事物を、仮にあるものとして考えてみること」と解説している。また、英語のVirtual(仮想の)という単語はVirtualReality(仮想現実)という用例で頻繁に見かけるようになって久しい。これは、理工学的な技術を用いてユーザの感覚を刺激し、形がないもの、あるいは、現実の姿とは異なる事物が、あたかもそこに存在し機能しているかのように感じさせる技術である。

図1 仮想化の定義と代表的な仮想化技術
図1 仮想化の定義と代表的な仮想化技術
出典:ITR

 IT用語としては、サーバ仮想化やストレージ仮想化、ネットワーク仮想化、I/O仮想化のように「コンピュータを構成する複数のハードウェア的な要素(CPUやメモリ、ハードディスク、ネットワーク機器など)を、実際とは異なる構成であるかのように認識させる技術」との意味で用いられることが多い。一方で、アプリケーション仮想化やデスクトップ仮想化は明確な定義はないが、概ねサーバ側にエンドユーザが利用するアプリケーションあるいはデスクトップ環境を集約して個々の環境を稼働させ、ユーザ側の端末で稼働しているかのように見せる技術である。これらは従来のサーバベースあるいはシンクライアント・コンピューティングと呼ばれていたソリューションだが、仮想化ブームに便乗してか最近では仮想化と称されている。

 それでは、ストレージ・ネットワーク・アプリケーションの仮想化について概要を見ていこう。(サーバ仮想化については2.仮想化の最新動向で詳しくふれる。)

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ストレージ仮想化

 ストレージの仮想化とは、物理データマッピングから論理データアクセスを切り離す機能を有する仮想化ユーティリティにより、ネットワーク上の複数の異種ストレージ機器を単一の仮想ストレージデバイス、または単一のストレージデバイスを複数の仮想ストレージデバイスとして利用可能にすることである。現在、市場に出荷されているストレージ製品のほとんどは仮想化機能を備えており、図2のような4つの方式に分類できる(なお、名称や定義は標準化されておらず、ベンダやメディアによって表現が異なる)。

図2 ストレージ仮想化の4方式
図2 ストレージ仮想化の4方式
出典:ITR

[1]

ホストベース
サーバに専用アプリケーションを導入し、サーバ側でストレージの仮想化を実施する方式

[2]

ネットワーク・ベース
インバンド方式、アウトオブバンド方式の2分類に区別されるが、いずれもサーバ群とSANの間に仮想化サーバを設置する方式(インバンド方式ではサーバ側とSANの間のケーブル上に直接的にサーバを接続し仮想化を行うのに対し、アウトオブバンド方式ではSANスイッチと連携し透過的に仮想化を行う)

[3]

スイッチベース
SANのスイッチに仮想化機能を搭載する方式

[4]

アレイベース
ストレージのコントローラに仮想化機能をもたせた方式

 最近では、既存のシステム構成への影響度が低いことからスイッチベースが注目されつつあるが、現時点では、IBM社やEMC社、日立製作所などのベンダが市場で大きなプレゼンスを有していることもあり、インバンド方式のネットワーク・ベースとアレイベースが主流となっている。なお、ストレージ仮想化の最大のメリットは、異なるベンダ/機種が混在した昨今のストレージ環境における運用管理の複雑さや、それにともなうコストの増大といった問題を解決できることである。しかし実際には、仮想化アプライアンスや仮想化ソフトウェアがサポートするストレージ製品を限定するケースも多く、このメリットが最大限に活かされていないという問題も残されている。

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