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「SaaS」がもたらす変革の本質とは

2008/03/21


 前編では、SaaS(Software as a Service)のメリットや適切なSaaSを見極めるためのチェックポイントとして、SaaSの成熟度モデルについて解説した。後編では、新たにSaaS市場に参入してきた通信事業者や本腰を入れて取り組み始めた巨大ベンダの動向を解説する。また、先行するセールスフォース・ドットコムのプラットフォーム戦略がユーザ企業に与える影響についても考察を加える。

SaaS
[前編] width= 掲載日:08/03/13 
[後編] width= 掲載日:08/03/21 
ユーザ視点で考える「SaaS」活用の極意 SaaSがもたらす「変革」の本質とは

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アナリストプロフィール

城田 真琴

情報技術本部 技術調査部 主任研究員 城田 真琴(Makoto Shirota)

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アナリストファイル #020

大手電機メーカーのシステムコンサルティング部門を経て2001年、野村総合研究所に入社。以来IT 動向の調査と分析を行うITアナリストとして活動。専門は、SaaS、SOA、EA(Enterprise Architecture)、ビジネス・インテリジェンスなど。



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通信キャリアの参入で更に活性化するSaaS市場

 昨年までの日本におけるSaaSといえば、セールスフォース・ドットコムやネットスイートといった米国からやってきたSaaS専業ベンダのイメージが強く、実際、多くの話題を提供し、SaaS市場を盛り上げてきた。しかしながら、SaaS市場の更なる成長のためには、より多くのプレイヤの参入が不可欠である。
 こうした状況の中で、まず注目すべきは、こぞって参入を表明している通信事業者の動きである(表1)。

表1 日本の通信事業者のSaaSに関する取り組み概要
表1 日本の通信事業者のSaaSに関する取り組み概要
出典:野村総合研究所

 かねてから、通信事業者各社は、IP-VPNに代表される閉域網サービスとセキュリティやストレージなどのサービスを一体化して提供しており、このような取り組みに違和感はない。しかし、SaaSに本腰を入れて取り組む通信事業者の意図は理解しておく必要がある。
 通信事業者の狙いは、今後、大幅な収益の拡大が期待できない回線サービスに、アプリケーションや端末(携帯電話、スマートフォン)を一体化して提供するという付加価値をつけることで、新たな収益源とすることだ。特にNGNでは、インターネットが抱えるセキュリティ問題を解決し、QoS(Quality of Service:サービス品質)が保てるといった利点がある。このため、従来のインターネットを利用したSaaSに対しては、セキュリティやサービス品質に不安を抱くユーザに訴求できるのではないか、というのが通信事業者の狙いである。
 もっとも、肝心のアプリケーションについては、通信事業者自ら提供できるものには限りがあり、いかに外部のソフトウェアベンダと提携し、魅力あるサービスの品揃えを実現できるかがポイントとなる。このため、ソフトウェアベンダに対しては、信頼性の高いデータセンタに加え、認証や課金、決済、マッシュアップといった機能を備えた利便性の高いプラットフォームを用意し、ソフトウェアベンダがすぐにSaaSビジネスに参入できるインフラを用意している。富士通、NEC、日立などの国産メーカーもSaaS事業の基盤となるプラットフォームの構築に乗り出す予定であり、今年は、SaaSプラットフォームを巡る争いが過熱する兆しが見えている。

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