Skypeに強敵?「Gizmoプロジェクト」とは?

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5分でわかる最新キーワード解説
今週のキーワードはこれだ! 掲載日: 2007/09/19
「Gizmoプロジェクト」ってなんだ?!

 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「Gizmoプロジェクト」。国際標準のSIPプロトコルを採用した通話料無料のインターネット電話は、ライバルのSkypeより拡張性に優れ、ビジネスとの親和性も抜群です! 「Gizmoプロジェクト」ってなんだ?!

Gizmoプロジェクトとは?

 Gizmo(ギズモ)プロジェクト(以下「Gizmo」と表記)は、もともと米国SIPphone社が2003年にスタートしたインターネット電話サービス。2005年にベンチャーキャピタルからの投資を得てから「Gizmoプロジェクト」の名称でサービスを拡大し、インターネット電話同士のみならず、固定電話や携帯電話との無料通話(Gizmoからの発信のみ、通話時間制限あり)の60ヵ国以上での提供、Yahoo! MessengerおよびAIM(AOLが提供するIM)、Windows Live Messenger、Google TalkやJabberなどのIMとの音声接続など、多彩なサービスを提供してシェアを伸ばしている。
 Gizmoは、公式サイト(http://gizmoproject.com/intl/ja/)よりダウンロードしてインストールすれば、誰でもすぐに利用することができる。


Skypeとの違いは?

 先行する無料のインターネット電話サービスとして、専用のハードウェアまで発売され、日本でも知名度が高く利用者の多いSkypeがあるが、同じ無料インターネット電話のGizmoにはどういった違いがあるのだろうか。

 
センター型だから、セキュリティの心配なし

 原則的にP2P(ピア・ツー・ピア)のネットワークで動作するSkypeの場合、通話を行っていないときにも、他のSkypeノード間の通話の中継等の処理を常に行っているため、CPUパワーを消費してしまう。また、ファイアウォールを越えて無関係なパケットの出入りを許してしまうため、セキュリティ上問題があると考える向きもある。Skypeの通信は暗号化されているので盗聴されるリスクは高いとはいえないが、実際にはセキュリティ面での懸念のためにSkypeの使用を禁止する企業も少なくない。
 一方、Gizmoはセンター型で、他のGizmoユーザの通話を中継することはないため、企業での導入においても上記のような心配はない。

 
国際標準のSIPプロトコルを採用

 Gizmoの通話は、セッション制御プロトコルとして、インターネットの標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)が標準化を進めているSIP(Session Initialization Protocol)を用いている。SIPはセッションの開始、変更、終了のみを行うテキストベースのメッセージフォーマットであるため、音声通話以外のさまざまなデータ通信を、特別な仕様拡張なしで行うことができる。さらに、SIPを用いた無料インターネット電話サービスはGizmoの他にも存在するが、そうした別のプロバイダのSIP電話とも、シームレスに通話することが可能なのだ。

 
Asteriskとも相互接続

 本連載でも取り上げたオープンソースのAsteriskはPBX(Private Branch eXchange:構内電話交換機)用ソフトウェアだが、AsteriskもSIPを通信プロトコルに採用しているので、当然のことながらGizmoクライアントはこのAsteriskとも標準で接続することができる(図1)。
 もちろんAsteriskに限らず、SIPを採用するIP-PBXのほとんどに接続できる。つまり、インターネット電話サービスと社内のIP-PBXとの違いは、Gizmoクライアントから見た場合、ローカルのサーバにログインするか、グローバルネットワークのサーバにログインするか、という違いしかない。これが、SIPという標準プロトコルを採用したことの最大の強みである。Gizmoクライアントは、バージョン3から主要なIMとの通話も可能となり、音声コミュニケーションのクライアントがこれ1つで済んでしまうほどに多くの機能を備えたといえる。

図1 Gizmoのログイン画面
図1 Gizmoのログイン画面
資料提供:Gizmoプロジェクト
+拡大 他のVoIPサービスにもここからログインできる

一般回線へのCall OutとCall In

 Gizmoから固定電話や携帯電話などの一般回線に電話を掛けることをCall Outと呼び、逆に一般回線からGizmoへと電話する場合はCall Inと呼ぶ。これは、SkypeにおけるSkypeOut、SkypeInとほぼ同様のサービスである。

 
Call Inサービス

 日本におけるGizmoのCall Inサービスは、世界各国の通常の電話番号を購入し、その番号からGizmoアカウントへの転送を受ける形で提供される。日本では、2007年9月現在は東京都の03ナンバーのみが対応している(図2)。
 料金は国および番号によって異なるが、東京03の場合は、3ヵ月で31ドル、12ヵ月で80ドル(2007年9月現在)である。この料金を支払えば、世界中どこにいても、インターネットにさえ繋がれば、日本の一般電話回線からの電話を相手方の国内通話料だけで受けることができるのだから、使い方次第では決して高いものではないだろう。ちなみに欧米諸国のCall Inナンバーはこれよりはるかに安く、3ヵ月で12ドル、12ヵ月で35ドル程度で提供されている。

図2 日本のCall Inナンバーの購入画面
図2 日本のCall Inナンバーの購入画面
資料提供:Gizmoプロジェクト
+拡大    
 
Call Outサービス

 Call Outサービスは、Call Inよりもはるかに単純な仕組みだ。カード決済等でCall Out用のクレジットを事前に購入し、その残高がある間は自由に世界各国の番号へ電話を掛けることができる。

 
表1 Call Outサービスの通話料の例
1分あたりの通話料 1分あたりの通話料
ブラジル 3.1セント イタリア 1.5セント
中国 1.4セント 日本 2.7セント
インド 13.0セント ポーランド 1.9セント
ドイツ 1.4セント 台湾 1.8セント
スペイン 1.3セント イギリス 1.5セント
カナダ 1.0セント アメリカ 1.5セント
 

 2007年9月現在の料金は、アメリカ、イギリスで1分あたり1.5セントと、国際電話を掛けることを考えれば格安だ(表1)。日本国内への通話も、若干高くなるものの1分あたり2.7セントだから、3分間で10円弱と比較的リーズナブルに利用できる。

 
60以上の国へ、無料通話キャンペーン

 また、現在Gizmoプロジェクトでは、会員拡大のキャンペーンとして、表2に挙げた国々との無料通話を提供している。ただし、無料通話サービスの対象となるには、新規会員を勧誘したり、GizmoからGizmoへの通話を積極的に利用したりするなど、アクティブな会員であることが確認される必要がある。アクティブであると認定されれば、週に60分まで以下の地域に無料で電話することができる。
 2007年9月現在、日本も固定電話のみではあるが無料通話の対象地域に入っているので、しばらくはこの恩恵にあずかることができるだろう。

 
表2 無料通話キャンペーンの対象となっている国/地域
固定電話に無料通話できる国/地域
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、チリ、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、フランス領アンティール、ドイツ、ジブラルタル、ギリシャ、グアダループ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、 ニュージーランド、ノルウェイ、パナマ、ペルー、ポーランド、ポルトガル、スロバニア、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、トルコ、イギリス、ベネズエラ、ザンビア
固定電話および携帯電話に無料通話できる国/地域
カナダ、中国、キプロス、グアム、香港、マラウイ、マレーシア、プエルトリコ、ロシア、サイパン、サンマリノ、シンガポール、韓国、タイ、アメリカ、バージン諸島、バチカン

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