バーチャルヒューマノイドってなんだ!?

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


5分でわかる最新キーワード解説
今週のキーワードはこれだ! 掲載日:2007/08/22
「バーチャルヒューマノイド」ってなんだ?!

 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「バーチャルヒューマノイド」。このテクノロジーを使えば、これまで映像で「見る」だけだった映画スターやフィクションのキャラクターと、仮想空間で「会う」ことができるかもしれません!

「バーチャルヒューマノイド」ってなんだ?!
バーチャルヒューマノイドとは?

 バーチャル(virtual)もヒューマノイド(humanoid)も一般的な言葉だが、今回紹介するバーチャルヒューマノイドとは、コンピュータの作り出す「仮想現実」とロボットという「現実」をシンクロさせて、複合的な現実環境を実現するテクノロジーを指す固有名詞である。バーチャルヒューマノイドは、現在横浜国立大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーで同研究を継続中の庄司道彦氏が、当時所属していたNTTドコモのマルチメディア研究所で開発を始めたもので、2005年12月に開催されたNTTグループのイベント「コミュニケーションEXPO」で公開されて以降、注目を集めるようになった。さらに2006年の夏には、国際的なコンピュータグラフィックスの展覧会であるSIGGRAPHでもデモンストレーションを行い、好評を博した。


バーチャルヒューマノイドの見せる仮想現実

図1 バーチャルヒューマノイドとは
図1 バーチャルヒューマノイドとは
資料提供:NTTドコモ
  バーチャルヒューマノイドのシステムは、クロマキー()合成用にグリーンの布で包まれたロボットと、カメラ付きのシースルー方式のヘッドマウントディスプレイ(以下「HMD」と表記)で構成される(図1)。このHMDは、左右の目の軸線上に2つのカメラを備えており、メガネを掛けたように、自分の前の景色をリアルタイムで写す。HMDを通した視界においてロボットは、CGで作られたキャラクターにクロマキー合成で置き換えられ、リアルな立体のCGキャラクターが目の前に立っているかのような体験をすることができる(図2)。
クロマキーとは、画像を合成するための輪郭情報を、特定の色の彩度(色の鮮やかさの値)から得る技術。ブルーやグリーンのスクリーンが多く用いられる。


 HMDの位置や方向は、センサで検出されるので、体験者が歩いたり、頭を動かしたりした場合にも、映像とCGは追随して動く。CGキャラクターは、左右の目それぞれの位置に合わせて別々にリアルタイムレンダリングされるので、背景もCGキャラクターが合成された状態で立体視ができる。さらに、ロボットに触り、握手などの動きをすると、体験者の動きがロボットに伝わって、CGキャラクターも追随して動く(図3)。これまでディスプレイの中でしか見ることができなかったCGの人物と、現実と仮想が合成された空間で、インタラクティブなコミュニケーションを取ることができる技術。それがバーチャルヒューマノイドなのだ。

図2 ユーザの視野映像
図2 ユーザの視野映像
資料提供:NTTドコモ
図3 体験の様子
図3 ApolloBookの表示例2
資料提供:NTTドコモ

バーチャルヒューマノイドの仕組み

 バーチャルヒューマノイドは、一見するとCGの動きに合わせてロボットが動く仕組みのように見えるが、実際はその逆である。ロボットがプログラミングされた動きを行い、同時に角度センサでロボットの各関節の状態を検出して、実際の状態をコンピュータに送り、その状態に合わせてCGを描画する仕組みとなっている(図4)。これにより、体験者がロボットに触れた際の姿勢の変化、腕などの位置の動きにCGキャラクターが追随するのだ。ロボットの制御は、サーボモーターの出力を抑えることで、人間が触っても安全かつ自然に姿勢を変動させることが可能になっている。


図4 動作の仕組みイメージ
図4 動作の仕組みイメージ
資料提供:横浜国立大学 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー

 さらにHMDの位置と向いている方向を、体験者の頭上に設置した、レーザーで空間をスキャンするセンサで検出することにより、CGキャラクターをロボットの位置にリアルタイムでレンダリングして合成する。なお、3DCGレンダリングにはLinux上のOpenGLを用いている。

実装のカギは「現実的」なアプローチ

 仮想現実の研究は世界各国で行われており、壺や衣服などの物体の柄をバーチャル空間で自由に変更するなどの技術も実装されている。しかし、ロボットをCGキャラクターに置き換えるバーチャルヒューマノイドについては、世界でもほとんど類例がない。これは、特定のキャラクターだけのために開発するのは製品として実用性が低いこと、複数のCGキャラクターを再生するプラットフォームとするには、ロボットとキャラクターの形状の差(太っている、痩せている、肩幅が広い、狭い、など)があるため、合成時のズレが原理的に避けられないこと、ロボットの周囲の照明環境とCGの照明の整合性など、数多くの技術的なハードルが背景になっている。


…この記事の続きは、会員限定です。  会員登録はこちら(無料)

続きを読むには…
会員登録いただくと自動的にこの記事に戻り、続きが読めます。

会員登録(無料)・ログイン

キーマンズポイントで今応募できるプレゼントはこちら!(2017/12/31まで)

ITキャパチャージに解答いただくとポイントがたまります。
たまったポイント数に応じて、以下、A〜E賞の各賞品に応募することができます。

●B賞:抽選で1名様
 ふとん暖め乾燥機 FD-F06X2  
●A賞:抽選で1名様
 アイロボット ロボット掃除機 ルンバ875A 
●C賞:抽選で1名様
 ケルヒャー高圧洗浄機 K 2 クラシック プラス 
●D賞:抽選で1名様
 選べる宿泊ギフト(とっておきの宿)30500円コースで選べる魅力的な温泉宿 
●E賞:抽選で5名様
 Amazon 使える商品は1億種以上「Amazonギフト券 5000円分」 

このページの先頭へ

キーマンズネットの新着情報を、お届けします

新着製品レポート

“保守期限切れ”でも機能するなら使う――IT機器の延命が好結果を生む理由 【カーバチュア・ジャパン】 「ハイパーコンバージドインフラ」に関するアンケート 【ヴイエムウェア株式会社】 ディープラーニング実装の3つの準備──AIの実現に向けた高速処理基盤の作り方 【日本アイ・ビー・エム】
IT資産管理 垂直統合型システム データ分析ソリューション
“保守期限切れ”でも機能するなら使う――IT機器の延命が好結果を生む理由 Amazonギフト券が当たる「ハイパーコンバージドインフラ」アンケート ディープラーニング実装の3つの準備──AIの実現に向けた高速処理基盤の作り方

新着特集


「お隣の企業は働き方改革をしているのか」「どんな取り組みが効果的なのか」「実際のところ成功しているの…



10年以上使い続けることも当たり前のERPなどの基幹業務システム。昔導入したモノは現在もマトモに使え…



脳と機械を接続する技術の総称であるBMIに関して研究者達が提言した「BMI倫理綱領3基準」。未来を見…


新着セミナー

事業責任者が知っておくべき「サイバー攻撃」への対策セミナー 【マイナビ 】 締切間近 

開催日 11月28日(火)   開催地 大阪府   参加費 無料

サイバー攻撃の巧妙化により、一定のセキュリティ対策を実施している組織であっても外部からの侵入を100%防御することは困難とされています。そこで、侵入されることを…

Google とドコモが働き方を変える!働き方改革セミナー 【ドコモCS東海】 締切間近 

開催日 11月24日(金)   開催地 愛知県   参加費 無料

「今日から」「小規模から」でも始められる G Suite で、チーム力、生産性を高めていきませんか?本セミナーでは「NTTドコモが考え、実践する働き方改革」とと…

生産スケジューラとIoTその道筋 【ハブ/アスプローバ】  

開催日 12月15日(金)   開催地 静岡県   参加費 無料

「モノのインターネット」などと言われあらゆるモノがインターネットにつながるIoT時代が到来し、機器の稼働状況や故障箇所、交換が必要な部品などを製造元がリアルタイ…

このページの先頭へ

バーチャルヒューマノイド/バーチャルヒューマノイドってなんだ!?」の記事を一部ご紹介しました。
会員登録を行い、ログインすると、「バーチャルヒューマノイド/バーチャルヒューマノイドってなんだ!?」の記事の続きがお読みいただけます。


Myリストへ

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


この記事に掲載している情報は、掲載日時点のものです。変更となる場合がございますのでご了承下さい。


30002218



このページの先頭へ

キーマンズネットとは

ページトップへ