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  掲載日:2003/11/12
 IPが果たす「LANとSANの融合」

 今回は、LANが使っているプロトコルについて詳しく解説していきたい。IPプロトコルとLANプロトコルの役割の違いや、LANプロトコルがデータリンク層、物理層それぞれでどのような構造を持ち、機能しているのかを具体的に見ていく。また、LANやインターネットの普及によって発生した膨大な情報をデータベース化し、ネットワーク管理するシステムSAN(Storage Area Network)の基本的な知識と2つの方式(FC- SANとIP- SAN)の特長について概略を理解していこう。 IPが果たす「LANとSANの融合」 IPが果たす「LANとSANの融合」


LANのプロトコル

プロトコルのおさらい
 今回の講座では、まずLANの配線形態について学んでいきたい。
  LANは、私たちの生活と密接に関連するネットワークとなりつつある。学校や会社における利用はもとより、現在では一般家庭内においても、無線LANを構築し、サーバーを介して音楽や映像を楽しむといった利用方法が増えてきている。
 また、LANとは無関係と思われている方の多くも、知らずにLANを利用している場合が少なくない。例えばみなさんの中には、ADSLやFTTHなどのサービスを用いてインターネットへ接続している方も多いだろう。これらの接続形態の場合、ケーブルモデムやブロードバンドルーターを用いることとなるが、PCとの接続は実はLANを用いて実現している。  今回は、このLAN自体が用いるプロトコルについて取り上げてみたい。
 なお、プロトコルの概念については以前掲載いたしました「OSI参照モデル概論とEDIの基礎知識」でふれているが、ここで簡単に復習しておこう。プロトコル(Protocol)とは、コンピュータ同士がネットワークを介してデータ通信を行う際の通信規約のことであり、この規約に則って通信を行うことで、容易にネットワークへの接続が可能となるものだった。
 プロトコルには、情報を単に電気信号に置き換えるものから、それをネットワークに送出するもの、さらには複数のネットワークに届けるもの、コンピュータ同士がサービスを提供したり、それを受けるためのものなど用途に応じてさまざまなものが存在する。このため、多種のプロトコルを、層構造として分類することで、組み合わせて利用することを実現している。この層構造のモデルが、すでにみなさんもご存知のOSI参照モデルということになる。
 ちなみに、インターネットにおけるプロトコルとしては、TCP/IP(前回掲載「TCP/IPでのカプセル化とVPNの基本」参照)というプロトコル群を用いているが、パケットのやり取りには、このなかのIP(Internet Protocol)を用いている。

LANプロトコルの存在理由
 さて、IPプロトコルがあるにもかかわらず、LANプロトコルも別に存在するのはなぜだろうか。
 IPとは、ネットワーク間において、パケットのやり取りを実現するためのプロトコルだが、実は、PCの送信すべき情報を電気信号に変換することや、それをほかの情報と混信させることなくネットワークに送出するためのより電気的な部分のプロトコルについては、まったく関知していない。
 これは、IPプロトコルが手を抜いているわけではなく、むしろその機能を別プロトコルに委ねることにより、さまざまな形態のネットワークでも、IPを利用できるようにしているのだ。つまり、荷物というパケットをA地点からB地点へ運ぶ際、そのルートや手続きなどをIPによって明確化するものの、物理的な輸送手段についてIPは関知しないことから、さまざまなLANプロトコルがこれを実現できるようになっているわけだ。
 なお、IPはOSI参照モデルにおけるネットワーク層に位置づけられるプロトコルである一方、LANプロトコルは、データリンク層と物理層に位置づけられるプロトコルとなっている。

イーサネットとIEEE802.3標準LANプロトコル
 LANプロトコルというと、イーサネットという言葉を思い浮かべる方も多いだろう。
 イーサネット(Ethernet)が、ゼロックス社、DEC社、インテル社の3社が共同で開発、製品化したデータ転送のための媒体仕様やプロトコルであることについて、前講座(「多接続に威力!LANの配線と「EAI」」を参照)でふれた。
 この当時のイーサネットをOSI参照モデルに照らし合わせてみると、データリンク層と物理層を包括する形で機能していた。
 しかしこれでは汎用性がないことから、1980年、LANの標準化を目的として米国に設置されたIEEE802委員会が、このイーサネットをOSI参照モデルに取り込んだIEEE802.3標準LANを規定した。
 つまり、イーサネットで単一に考えられていたLANのプロトコルを、データリンク層においての論理リンク制御や媒体アクセス制御、物理層においては、実際のネットワーク接続方法や物理的な装置などを、それぞれプロトコルとして規定したのだ。そしてこれがきっかけとなり、LANプロトコルの標準化がすすむこととなった。
 現在では、IEEE802.3標準LANプロトコルの総称として、イーサネット(Ethernet)と呼ばれるようになっているが、これらの経緯から開発された当初と現在のイーサネットでは若干の相違があることを押さえておいていただきたい。

図25-1 IPプロトコルとLANプロトコル
図25-1 IPプロトコルとLANプロトコル
 プロトコルはA、B間のルートや手続きなどを明確化するが、実質的なデータの伝送方法についてはまったく関知していない。そこでLANプロトコルが、この実質的なデータ伝送部分の制御を担う。なお、IPプロトコルとLANプロトコルは、機能する層が異なることから、組み合わせて利用できるようになっている。つまり、ある部分では有線LANプロトコルを、ある部分では広域LANプロトコルを、またある部分では無線LANプロトコルを利用した場合でも、IPプロトコルはそれに干渉されることなく機能できる。

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