第18回 公衆電話網の構造とIP電話の仕組み


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  掲載日:2003/07/23
 公衆電話網の構造とIP電話の仕組み

 IP電話による技術革新が話題の昨今だが、そもそもどのようなメカニズムで電話サービスが実現されてきたのかは案外知られていない。そこで今回は、電話サービスの変遷を振り返ってみよう。公衆電話交換網(PSTN)の基本構造である交換機と多重化装置、光ファイバ網によるデジタル通信ネットワークを確立したISDNと、それを実現するATMやSDHの技術、IP電話に不可欠な機器であるゲートウエイやゲートキーパーなどについて整理する。また、企業内でIP電話を導入しやすくするためのVoIPのシステム構成を解説していく。 公衆電話網の構造とIP電話の仕組み イメージ


公衆電話交換網 「PSTN」

公衆電話網とは
 今や私たちの生活に電話の存在は不可欠だといえる。しかし、電話サービスが、どのようなメカニズムによって実現しているのかご存知だろうか。
 ユーザー宅に設置される電話機は、加入者線と呼ばれる伝送路によって電話局と接続されている。電話局は全国を網羅する電話専用のネットワークとの接続がなされているため、電話番号をプッシュするだけで、あらゆる場所へと電話をかけることができるわけだ。
 電話サービスの要となる、電話を実現するためのネットワークを公衆電話網(public telephone network)、もしくは公衆電話交換網(PSTN:Public Switched Telephone Network)と呼ぶ。
 公衆電話網は、電話番号をプッシュすることでその番号をもっている相手に回線を接続するとともに、相手の電話を呼び出したり、通話が終了した際には、この回線を切断したりする働きをもっている。これらの働きにより、日々電話を利用することができるわけだ。

公衆電話網の基本構造
 つぎに公衆電話網の構造を見ていくことにしよう。
 みなさんは、「交換手」という言葉を耳にしたことがあるだろう。交換手は、通話を行う二者の呼び出しや回線接続を行う人のことである。実は公衆電話網においても、はるか昔にはこの交換手の人たちが手作業で回線を接続することで、電話サービスが成り立っていた。
 しかし現在では多くの回線接続を必要とすることから、交換業務のすべては機械化されている。この機械のことを交換機(switch)という。また、交換機が回線の接続を行うことで、利用者に回線を提供する方式を回線交換方式(circuit switching system)と呼ぶ。
 公衆電話網では、多くの交換機が階層構造的に相互接続されることによって機能している。つまり、利用者がダイヤリングをすると、公衆電話網内の複数の交換機が、その電話番号の相手との回線を相互的に接続し、相手を呼び出す。そして相手が受話器を取ることで、通話が開始されるわけだ。

多重化の必要性
 公衆電話網の重要な構成要素は、先の説明以外にも存在する。
 先に交換機が相手までの回線を相互接続すると説明したが、現在では、数十万通話といった膨大な数の通話が同時に行われる。これら一つひとつの回線を交換機が相互接続するのであれば、交換機同士は、実に数十万もの数の伝送路で相互接続されていなければならない。しかし、遠隔地に点在する交換機同士をこれほどの数の伝送路で相互接続することは、物理的に不可能であるうえ、もし実現したとしても膨大なコストを要することは、容易に予想できる。
 そこで、なるべく少ない数の伝送路によって、より多くの通話情報を同時にやり取りできるためのメカニズムが必要となる。この技術を多重化(multiplexing)という。公衆電話網内には、多重化を実現する多重化装置(multiplexer)MUX(マックス)と呼ばれる装置が設置されており、多くの通話情報を、1つの伝送路でやり取りすることを実現している。なお、電話においては、加入者線部分のみはアナログ回線だが、それ以外の公衆電話網内はデジタル化が図られている。そして、デジタル転送における代表的な多重化として、時分割多重化方式(TDM:Time Division Multiplexing)という方式がある。(※詳しくは第6回を参照)

図18-1 公衆電話網の概念図
図18-1 公衆電話網の概念図
 本図では交換機と多重化装置をわかりやすくシンプルに記しているが、実際には交換機は全国に配置される。また、多重化装置は複数が階層的に配置され、複数の段階を経ることで膨大な数の回線の多重化を行うと同時に、これを光ファイバやマイクロウェーブなどを用いて送信している。

本文補足
 多重化装置では、他方向から到達したデジタル信号を、1本の伝送路で送信しなければならない。そこで、1本の伝送路を非常に短い時間間隔で区切ることで、異なる方向から到達したデジタル信号を小出しに送信し、複数の信号を1本の伝送路で伝送することが可能となる。時分割多重化方式では、この考え方をベースに、多重化装置を階層的に配置し、多くの回線の信号を多重化して送信しているわけだ。

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