第17回 読んで納得!網サービスの基礎知識


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  掲載日:2003/07/09
 読んで納得!網サービスの基礎知識

 遠隔地の拠点に構築されたLANを相互に接続するためのWAN。最近では、「IP-VPN」や「広域イーサネット」など安価で高速なWANサービスが注目を集めている。しかし、それらを導入するためには、現在利用しているWANサービスをしっかりと理解する必要がある。この第17回では、ニーズに応じた高い転送効率を実現する専用線サービスや、データを分割し効率よくデータ伝送を行うことができるフレームリレー・セルリレーについて、その情報転送メカニズムをわかりやすく図解する。 読んで納得!網サービスの基礎知識 イメージ


LANをつなぐ広域ネットワーク WAN

WANの必要性
 昨今では、企業の多くにLANが導入されている。LAN(Local Area Network)とは、構内情報通信網や企業情報通信網などとも呼ばれ、限られたエリア内で構築される、コンピュータネットワークを意味する。
 LANを用いれば、情報の共有はもとより、コミュニケーションの充実を図ることも可能となることから、企業にとって大きなメリットを得ることができる。しかしその一方で、LANでは、全国規模のネットワークが構築できず、本支社間や企業間などの相互接続には対応できないといった問題点もある。
 電気通信事業者は、この対策として、遠隔地のLAN同士や端末とホストコンピュータを結ぶための広域ネットワークを全国に敷設するとともに、これをサービスとして一般に提供している。この広域ネットワークこそが、今回学んでいくWAN(Wide Area Network)である。

WANの種類
 WANは、広域通信網とも呼ばれている。この名の示すとおり、WANには範囲における制限がないため、日本国内のネットワークはもちろん、世界全体をカバーするサービスも存在する。
 WANは、公衆電話回線やISDNをはじめとして、専用線、フレームリレーやセルリレーなど、電気通信事業者によってサービスされている公衆網を意味する。また、昨今、LAN間接続やVoIP実現のために注目されているIP-VPNや広域イーサネットなどもWANの仲間として挙げられる。つまりWANとは、ある特定のネットワークを意味するものではなく、広域通信網として、電気通信事業者が提供するさまざまなネットワークサービスの総称といえる。
 WANの転送技術は、回線交換、蓄積交換、専用線に大別される。回線交換とは、公衆電話回線やISDNなど、ダイアリングによって交換機が専用回線をつなぐことで両者の通信が可能となるものである。また、蓄積交換とはパケット交換のことで、回線は常に共有するものの、データをパケットなどに分割し細かい単位で伝送する。インターネットがこの方式を用いたネットワークの代表格だが、WANにおいてはフレームリレーがこれに相当する。また、セルリレーはこれを一歩先に進めた方式を採用することで、高い転送効率を実現している。

WANの種類
通信形態
種 類
回線交換 公衆回線網、ISDN
蓄積交換(パケット交換)
フレーム、セル含む
フレームリレー、セルリレー(メガデータネッツなど)
広域イーサネット、IP-VPNなど
専用線 各種専用線サービス

WANの利用例
 WANは、実際にはどのように活用されているのだろうか。第2回講座でふれているように、WANにはさまざま種類が存在する。また、その種類のなかには、通信速度や通信品質などによって通信料金設定の異なる多くの品目が存在する。
 仮に本社と支社A、支社Bの3拠点にそれぞれ構築されているLANを、WANによって相互接続する場合も、その選択肢は多く存在する。
 たとえば通信品質を重視する場合、WANにセルリレー網を利用するケースが多い。セルリレー網については後に説明をするが、各拠点からセルリレー網へと接続することで、拠点間すべての相互接続が可能となる。なお、この場合、各拠点からセルリレー網までは、専用線で接続されるため、セルリレー網の利用料に加えてセルリレー網までの専用線使用料も含めての通信料金が必要となる。
 なお、NTT東日本などでは、メガデータネッツ(MegaDataNetz)をはじめとする比較的安価なWANサービスも登場してきている。メガデータネッツは、セルリレー網で用いているATM技術をベースとした比較的安価なサービスだ。
 これらの低価格サービスを用いれば、高品質な通信環境を、比較的低コストで構築することができるはずだ。

図17-1 広域ネットワーク WAN
図17-1 広域ネットワーク WAN

本文補足
 少し古い表現だが、蓄積とはメモリやバッファなどを用いて一時的に記憶することをいう。パケット伝送の場合、ルーターに到達したパケットは、いったんバッファに記憶されたうえでヘッダーなどの解析を行い、適切なルーティング制御を実現している。パケット交換が蓄積交換と呼ばれるのはこのためである。

用語説明
【電気通信事業者】 通信サービスを提供する企業をいう。単に通信事業者と呼ばれる場合もある。電気通信事業者の代表格としてはNTTやKDDIが挙げられる。電気通信事業者は、第一種電気通信事業者、第二種電気通信事業者に大別されるが、これは自らが通信設備を持っているか否かの違いによるもので、さらに詳細の分類がなされる。
【広域イーサネット】 WANとして提供されるネットワークサービスの1つだが、データリンク層のプロトコルとしてEthernetを用いている点に大きな特徴がある。一般的なWANの場合、WAN専用のプロトコルを用いることから、接続の際にこれに対応する必要があるが、広域イーサネットの場合は、LANと同様のプロトコルであるため、シームレスな接続が可能となり、LAN間接続なども比較的容易に行うことができる。

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