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  掲載日:2003/05/14
 TCP/IP最下層と拡張する最新ADSL

 第13回では、TCP/IPの中で最も下位に位置するネットワークインターフェース層をフォーカスする。この層の代表的なプロトコルである、ダイヤルアップIP接続に用いられるPPPやLAN接続で用いられるEthernet、そして、ADSLで用いられるPPPoEなどについて詳しく解説しよう。また、すでに加入者数が600万人を超え爆発的な普及が進むADSLのさらなる高速化、広域化など、今後の進化や方向性をダブルスペクトラムADSL+、クアッドスペクトラムADSL+、ADSL2といったキーワードを中心に解説する。 TCP/IP最下層と拡張する最新ADSL イメージ


ネットワークインタフェース層

ネットワークインターフェース層とは
 TCP/IPの最も下位に位置する層をネットワークインターフェース層(network interface layer)という。ネットワークインターフェース層は、OSI参照モデルにおける、データリンク層と物理層を包括する形で位置付けられる。
 TCP/IP各層の働きによって、さまざまなサービスや通信形態が実現されることとなるが、最終的にネットワークを介したデータ通信を実現するためには、情報を電気信号や光信号などに変換する必要がある。また、一方で受信した信号は、コンピュータが認識可能なデジタル情報へと変換する必要がある。これらの処理やインターフェースの決定が、ネットワークインターフェース層によってなされているわけだ。
 なお、ネットワークインターフェース層は、ネットワークアクセス層(network access layer)とも呼ばれている。

ネットワーク接続のためのプロトコル
 インターネットは、TCP/IPプロトコルを用いることで、データ通信を実現している。つまり、インターネットに接続可能なPCやコンピュータのすべては、TCP/IPによるデータ通信機能を標準で実装していることとなる。
 しかし、インターネットに接続する環境について注目するならば、一般の電話回線のみならず、ADSLやFTTH(Fiber To The Home)などさまざまだ。また、学校や会社のLANを経由して、インターネットを利用している利用者も少なくないだろう。
 これらのさまざまな接続環境では、その環境に対応するプロトコルが必要となる。例えば、電話回線ではPPPというプロトコルを用いてダイヤルアップIP接続を行う。また、LANへの接続時にはEthernet(イーサネット)という基本的なLANプロトコルを用いている。
 さらにADSLにおいては、このEthernet環境下でのIP接続が可能な、PPPoEというプロトコルを用いるなど、環境に応じたプロトコルによってネットワークに接続したうえで、インターネットとのやり取りがなされている。
 このネットワークとの接続部分におけるプロトコルが、ネットワークインターフェース層に位置するわけだ。

実際の接続インターフェースの規定
 情報を実際に伝送するためには、同軸ケーブルやツイストペアケーブル、光ファイバケーブルなど、ネットワークに応じた物理的な伝送媒体が必要となる。また、これらさまざまな伝送媒体を介して通信を行うためには、端末やコンピュータと伝送媒体との接続に関するインターフェースを決めておく必要もあるはずだ。
 例えば、現在ごく一般的なLAN規格として普及している100BASE-TX(最大通信速度100Mbps)においては、LANボードやLANアダプタとハブをツイストペアケーブルで接続する必要がある。また、出張先などで電話回線を介してPPPによるダイヤルアップIP接続を行う場合には、PCをモデムに接続したうえで、電話の加入者線につなぐ必要がある。
 このように、それぞれのネットワークでは、それに対応した接続形態の取り決めが必要なうえ、ケーブルやプラグなどの規定も不可欠となる。ネットワークインターフェース層では、これらの取り決めを行うことで、誰もが共通的にネットワークへとアクセス可能な環境を実現しているわけだ。

図13-1 ネットワークインターフェース層

図13-1 ネットワークインタフェース層
 インターネットにおけるさまざまなサービスは、LAN経由、ADSL、FTTH、電話回線など、どのような形態で接続しようとも利用することができる。これは、ネットワークインターフェース層においてネットワーク接続プロトコルと物理的接続インターフェースを変更したとしても、インターネット層から上の層に対して、なんら影響を与えることがないためだといえる。つまり上図で説明しているように、TCP/IPでは、階層化された複数のプロトコルを自由に組み合わせることができることから、我々は、さまざまな形態でのインターネット接続を実現することができるわけだ。

用語説明
【PPP:Point to Point Protocol】 インターネットサービスプロバイダなどに対して電話回線、モデムを介してダイヤルアップIP接続をするためのプロトコル。
【ダイヤルアップIP接続】 一般の電話回線やISDN網を介し、ダイヤリングを行うことでISP側のモデムと接続し、IPプロトコルでのインターネットとのやり取りを行う接続形態。
【加入者線】 電話機と電気通信事業者の局内交換機を結ぶ線。メタリックケーブルを伝送媒体とし、アナログ伝送が行われている。
【bps:bits per second】 0もしくは1で表現される情報の単位をビット(bit)というが、これを1秒間にどれだけ伝送できるかをbpsという単位で表現する。

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