第12回 電子メールと「基本プロトコル大全」


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  掲載日:2003/04/23
 電子メールと「基本プロトコル大全」

 第12回では、前回解説したTCP/IPの階層構造をもう1歩掘り下げ、上位層・下位層のプロトコル機能や種類を詳細に紹介する。インターネットのサービスには、Webブラウジング以外にもHTTP、FTP、Telnetなどが用意されている。これらのプロトコルや機能などについて、Webのサービスを例に解説しよう。また、実際の機能として、電子メールのやり取りを実現するための「アプリケーション層プロトコル」に着眼し、メールサービスやメール伝送の仕組みとプロセスをわかりやすく図解する。 電子メールと「基本プロトコル大全」 イメージ


TCP/IP上位層のプロトコル

TCP/IP層構造の復習
 TCP/IPにおいては、第1層から第3層までを下位層(the lower layers)、第4層を上位層(the upper layers)としている。
 層とは、第1層が最も機械に近い電気信号においてのプロトコルなどを扱う部分であり、第4層は最もユーザーに近いアプリケーションのプロトコルを扱う部分として機能する。各層にはさまざまな機能をもったプロトコルが存在している。これらのプロトコルがそれぞれ機能することにより、1つの通信が成り立つわけだ。
 なお、データ通信の世界ではコンピュータ同士が通信をすることをシステム間通信(intersystem communication)、またコンピュータ上で稼働するプロセス同士が通信することをプロセス間通信(interprocess communication)と呼ぶ。TCP/IPの場合、下位層がシステム間通信のプロトコル群、上位層がプロセス間通信のプロトコル群ということができる。

図12-1 上位層と下位層の主な機能

図12-1 上位層と下位層の主な機能


本文補足
 現在のOSにおいては、複数のプロセスを同時に動作させることができる。このため1台のPCやコンピュータ内でも、プロセス同士の通信、つまり、プロセス間通信は行われることとなる。

TCP/IP上位層・アプリケーション層
 TCP/IPの上位層は、OSI参照モデルにおける上位層、つまり、アプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層が、アプリケーション層(application layer)として包括されている。
 インターネットには、Webのブラウジング以外にも、さまざまなサービスが用意されている。そしてこれらのやり取りは、それぞれ異なる通信プロトコルによって実現している。つまり、異なるサービスでは、それぞれに適したプロトコルを用いることで、プロセス間通信が実現している。そして、これら複数のサービス実現のためのプロトコルが位置する層が、TCP/IPにおけるアプリケーション層ということになる。

上位層プロトコルの種類
 アプリケーション層の動作や機能について、Webサービスを例に説明しよう。
 Webのブラウジングは、すでにご存知のようにWebブラウザと、Webサーバーとのやり取りによって実現する。
 この際、両者間においては、HTTP(HyperText Transfer Protocol)というアプリケーション層のプロトコルによって情報のやり取りを行っている。また、Web情報をWebサーバーにアップロードする場合は、FTP(File Transfer Protocol)というプロトコルを用いる。さらには、ネットワークを介したコンピュータのリモート制御を行うために、Telnetというプロトコルを用いるが、これもまたTCP/IPにおけるアプリケーション層のプロトコル名称の1つである。これらはそのままコマンド名や、ソフトウエア名称の一部となっているが、実際にはプロトコル名称を引用しているわけだ。
 サービスごとに異なるプロトコルのやり取りを実現する部分が、TCP/IPにおけるアプリケーション層の働きということになる。
 なお、アプリケーション層では、あくまでもサービスに対応したプロトコルのやり取りを行うに過ぎず、よって、それがインターネット上で実現しているのか、LAN上で実現しているのかなどの認識をしない。よって、これらの制御については、アプリケーション層よりも下位に位置する層に委ねることとなる。
 以下に上位層プロトコルの種類をまとめておこう。

図12-2 構造上位層プロトコルの種類

図12-2 構造上位層プロトコルの種類
 図において例に挙げた上位層のプロトコルは、インターネットを利用するうえで頻繁に使用するものである。よって、これらの名称を耳にしたことがある方も多いことかと思う。アプリケーション層における多種のプロトコルが存在することにより、階層においてTCP/IP通信を行いつつも、さまざまなサービスの提供を受けることができるわけだ。

用語説明
【HTTP:HyperText Transfer Protocol】 情報を提供する側のWebサーバーと、提供される側のWebブラウザ間のプロトコルであり、ホームページなどのハイパーテキストをやり取りするための基本的な手順。HTTPは、RFC1945(※)で規定されている。HTTPはクライアント/サーバー型のプロトコルだ。
※第11回を参照
【FTP:File Transfer Protocol】 TCP/IPに属するプロトコルの1つで、ファイルを転送するなどの用途で用いられる。一般ユーザーが自分のホームページを公開する際には、自分のPCで作成したHTMLなどを、プロバイダのWebサーバーへと転送することとなるが、この際に用いられるのがFTPということとなる。
【Telnet】 Telnetは、ネットワーク上に存在するコンピュータを、外部から遠隔操作するためのプロトコルであり、TCP/IPの初期から存在していたものだ。20年ほど前までは、コンピュータは非常に高価なものであったため、安価な端末で仮想端末ソフトウエアを動作させ、高性能なコンピュータへアクセスし、多くのユーザーで共有していた。これに用いていたのがTelnetであるわけだ。Telnetは、現在でも多く用いられている。

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