第5回 誤り制御方式とVoIPにみるQoS技術


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  掲載日:2003/01/15
 誤り制御方式とVoIPに見るQoS

 LAN、WANを利用する際、伝送されるデータの品質などについては、普段、あまり気にすることはない。しかし、ネットワーク内では、単にデータが伝送されているだけでなく、常に一定の品質を保つためのさまざまな制御が行われている。今回は、その代表例である誤り制御方式について詳しく解明する。また、こうした通信の品質制御を体系化したQoSと、これによって実用的なサービスを実現したVoIPの仕組みをわかりやすく解説していく。 誤り制御方式とVoIPに見るQoS イメージ


データ通信に必要不可欠な誤り伝送方式

誤り制御方式とは
 コンピュータ間でやり取りされるデータが、電気信号や光信号、時には電波などに変換され、ネットワーク内を伝送されていることについて、皆さんはすでにご理解いただいていることだろう。
 ネットワークの存在により、コンピュータ間のデータ通信は、広範囲にしかも高速で行うことができるようになった。しかしながら、ケーブルを介したデータは、時として外部からの雑音や伝送時の波形の歪みなどを原因として、正しく伝達されない場合がある。また、電波の場合も、障害物や他の電波との混信などによって伝送状況が著しく悪くなる場合が考えられる。
 そこで、データを受信する側においては、伝送データが正しいか否かを判断し、異常を検出するとともに、送信元に対してデータの再送を要求したり、可能であればこれを復旧するための制御が必要となる。そして、これに用いられるのが誤り制御(error control)方式だ。
 今回はまず、ネットワークを介したデータ通信に必要不可欠な存在となっている誤り制御方式についてを学んでいくことにしよう。
 ネットワークとは、単にデータを伝送するだけでなく、実は、伝送品質を向上させるための制御がなされていることを、誤り制御方式を例に説明していこう。

誤り制御方式のメカニズム
 ネットワークにおいて伝送異常が発生する確率は、1万分の1から10兆分の1以下だといわれている。昨今ではネットワーク自体の品質も飛躍的に向上しているため、その確率は限りなくゼロに近づきつつあるが、それでもなんらかの原因において、例えば1ビットが誤ったビットとして伝送されてしまう可能性は十分に考えられる。
 そして、この誤りを検出するためのメカニズムが誤り制御であり、後に紹介するようにさまざまな方式が存在する。
 最もわかりやすい誤り制御方式としては、パリティチェック方式が挙げられる。
 パリティチェック(Parity Check:奇偶検査)では、送信データ内のビット列に含まれるビット"1"の数を、偶数個もしくは奇数個として調整し、これを送信する。
 受信側においては、受信側でビット"1"をチェックし、もしあらかじめ決めた偶数個もしくは奇数個でない場合には、伝送途中で異常が発生したことを知る、誤り検出方式だ。
 文字を伝送する場合、JISで制定した文字コードのひとつであるJIS7単位符号を用いると、1つの文字は7ビットで表現することが可能であるため、これにパリティビット(Parity Bit)というチェック用の1ビットを付加し、1つの文字を8ビットとして伝送する。

図5-1 誤り制御方式のメカニズム
図5-1 誤り制御方式のメカニズム
 "1"の数が8ビット中必ず偶数個でなければならないと送受信側双方で示し合わせた場合、文字を表す7ビット内の"1"の数が偶数であればパリティビットを"0"、奇数であればパリティビットを"1"とすることで、8ビット中の"1"の数を、かならず偶数として送り出すことができる。受信側ではこれを数え、奇数個であればなんらかの異常が通信途中で発生したと認識できるため、再送を送信元へと要求できるわけだ。

誤り制御方式の種類
 誤り制御としては、下の表に示すように、さまざまな方式が考案され実用されてきている。
 たとえば、先に説明した7ビットのデータにパリティビットを付加して伝送する誤り制御は、垂直パリティチェック方式(VRC:Vertical Redundancy Check)と呼ばれる。
 パリティビットの設定は、文字毎の7ビットデータ中に"1"の数が奇数個ならば"1"、偶数個なら"0"とする偶数パリティ方式(even parity)と、奇数個ならば"0"、偶数個なら"1"とする奇数パリティ方式(odd parity)がある。
 また、垂直パリティチェック方式に加え、8ビット単位の情報を複数集め、これをビット桁毎にチェックし、その結果をブロックチェックキャラクタ(BCC:Block Check Character)にセットして送り出す水平パリティチェック方式(LRC:Longitudinal Redundancy Check)なども存在する。水平パリティチェック方式は、垂直パリティチェック方式と併用されることが多い。
 群計数チェック方式は、水平パリティチェック方式がパリティチェックとして1ビット付加していたのに対し、水平方向のビット"1"の数を加算し、この答を得た上で、その値の下位2ビットを訂正符号として用いることで、チェックの精度を向上させている。
 次のCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回符号検査)方式とは、単にビット"1"の数を数えるというものではなく、あらかじめ送受信側で示し合わせた多項式を用いることにより、誤り検査の精度を向上させた、群計数チェック方式を発展させた方式だ。
 また、これに対してハミング符号方式とは、誤りの検出だけでなく、その箇所の訂正をも受信側において実現する自己訂正方式(FEC:Forward Error Correction)の代表とされる方式であり、軽度の誤りであれば、送信元に再送要求を行うことなく、自己訂正を実現する方式として注目された。

変調のさまざまな種類
【垂直パリティチェック方式
(VRC:Vertical Redundancy Check)】
ビット"1"が偶数もしくは奇数であることを送受信側で決定、パリティビットで調整し送信。受信側でこれをチェックする方式。
【水平パリティチェック方式
(LRC:Longitudinal Redundancy Check)】
8ビット単位の情報を複数集め、これをビット桁ごとにチェックし、その結果をブロックチェックキャラクタ(BCC)へ格納。VRCと併用される。
【群計数チェック方式】 ビット"1"の数を加算し、その答の下位2ビットを訂正符号として用いる方式。
【CRC方式
(Cyclic Redundancy Check:
巡回符号検査)】
送受信側双方であらかじめ多項式を決め、これを用いることで誤りを検出する。
【ハミング符号方式】 自己訂正方式(FEC:Forward Error Correction)の代表方式。軽度の誤りであれば訂正を可能とする。

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